長打力が魅力だったブランコ(写真はオリックス時代)

◆ 中日の長距離砲一塁手が目立つ

 一塁手といえば、古くは王貞治、バース、近年ではウッズ、ブランコなど長打力のある選手が多いイメージだ。実際に長打力のある選手が多いのか…。最近10年間、一塁で先発出場した試合で、30本塁打以上放った選手がいるか検証してみた。

 最近10年間でセパあわせて30本塁打以上記録したケースは57度あったが、そのうち一塁に先発出場した選手で30本以上を記録したのは11度。

 その中でも目立ったのが、広いナゴヤドームを本拠地に持つ中日の一塁手。07年にウッズが35本塁打を記録すると、翌08年が30本。ウッズが08年限りで退団した後、09年から加入したブランコは一塁で37本塁打、シーズンでは39本のアーチを描き、本塁打王のタイトルを獲得した。10年は打撃不振で二軍落ちを経験しながらも32本塁打を記録。中日の一塁手は07年からの4年間、毎年30本塁打以上記録した選手を輩出した。

 一方で、ヤクルト、広島、ソフトバンク、ロッテ、楽天の5球団は、30本塁打を記録した一塁手がこの10年間で誰も現れなかった。ソフトバンクは李大浩が15年に31本塁打を記録したが、一塁先発時の本塁打数は12。広島も14年にエルドレッドが37本を放ち本塁打王のタイトルを獲得したが、一塁での本塁打数は21本だった。ちなみにロッテは一塁手だけでなく、30本塁打を記録した選手が05年を最後に誰もいない。

 また、日本人の一塁手で30本塁打を記録した選手は、15年の中田翔(日本ハム)のみ。近年は内川聖一(ソフトバンク)、銀次(楽天)といったアベレージヒッタータイプの選手が一塁を務めることが多く、日本人の長距離砲があまりいない印象だ。

◆ 最近10年間で30本塁打以上放った一塁手

【2007年】
<セパ30本塁打以上=10人>
ウッズ(中日)
一塁での本塁打:35本
シーズン本塁打:35本

イ・スンヨプ(巨人)
一塁での本塁打:30本
シーズン本塁打:30本

【2008年】
<セパ30本塁打以上=8人>
カブレラ(オリックス)
一塁での本塁打:35本
シーズン本塁打:36本

ウッズ(中日)
一塁での本塁打:30本
シーズン本塁打:35本

【2009年】
<セパ30本塁打以上=6人>
ブランコ(中日)
一塁での本塁打:37本
シーズン本塁打:39本

【2010年】
<セパ30本塁打以上=8人>
ブラゼル(阪神)
一塁での本塁打:47本
シーズン本塁打:47本

ブランコ(中日)
一塁での本塁打:32本
シーズン本塁打:32本

【2011年】
<セパ30本塁打以上=2人>
なし

【2012年】
<セパ30本塁打以上=1人>
なし

【2013年】
<セパ30本塁打以上=4人>
ブランコ(DeNA)
一塁での本塁打:41本
シーズン本塁打:41本

【2014年】
<セパ30本塁打以上=5人>
メヒア(西武)
一塁での本塁打:32本
シーズン本塁打:34本

【2015年】
<セパ30本塁打以上=7人>
中田翔(日本ハム)
一塁での本塁打:30本
シーズン本塁打:30本

【2016年】
<セパ30本塁打以上=6人>
ロペス(DeNA)
一塁での本塁打:33本
シーズン本塁打:34本

もっと読む