梨田昌孝,
楽天の梨田昌孝監督

◆ 松井裕は守護神に成長

 2013年にリーグ優勝した後、3年連続Bクラスに沈む楽天。近年のドラフトでは有望な高校生の獲得に成功しており、育成が上手くいけば近い将来黄金時代を築いてもおかしくない。

 楽天は2012年のドラフトから5年連続で高校生を1位で獲得している。13年ドラフト1位の松井裕樹は、2年目に球団最多の33セーブをマークすると、昨年は調子を落とした時期もあったが、30セーブを挙げた。今季プロ4年目を迎えるが、すでにチームに欠かせない存在感を放っている。

 14ドラフト1位の安楽智大は2年目の昨季、15試合に登板して、3勝5敗、防御率3.42を記録した。春先は不安定な投球が目立ったが、夏場から先発ローテーションに定着。8月以降だけの成績を見ると、3勝3敗、防御率2.64だった。今季1年間ローテーションを守り自信をつけることができれば、将来楽天のエースを担う存在となりそうだ。

 投手陣では16年ドラフト1位の藤平尚真(横浜高)が3年後ローテーションに入り、11年ドラフト2位の釜田佳直、12年ドラフト1位の森雄大が、エースの則本昂大とともに先発の軸として投げることができれば投手王国を築いている可能性が高そうだ。

◆ 野手も期待の若手が多い

 野手陣は、15年ドラフト1位で入団したオコエ瑠偉がいる。関東一高校時代は、攻走守“三拍子”揃った外野手として高校野球界を代表するスター選手だったが、1年目の昨季はプロの壁にぶつかり打率.185、1本塁打、6打点に終わった。それでも、吸収力が高く、プロの球に慣れたとき、どんな成績を残すか楽しみな選手のひとりだ。

 オコエと同じ年のドラフトでプロ入りした早稲田大出身の茂木栄五郎は、1年目の昨季打率.278、7本塁打、40打点の成績を残し、松井稼頭央が外野に転向してからレギュラー不在だった遊撃の定位置を確保した。昨季は下位を打つことが多かったが、近い将来は上位を打てる選手といえるだろう。

 その他、昨季プロ初本塁打を放った4年目の内田靖人、オコエとともに高校時代高校代表に選ばれた堀内謙伍などがいる。また、楽天の主力野手は銀次が2月で29歳、島内宏明が2月で27歳、岡島が9月で28歳と比較的若い選手が多い。

 ここ数年、楽天のドラフトは、その年の有望選手を獲得できている。広島や日本ハムのように育成が上手くいけば、黄金時代を築いてもおかしくないだろう。

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