◆ 10年の梵を最後にセで40盗塁以上なし
久々に40盗塁以上のセ・リーグ盗塁王が誕生するか…。
昨季盗塁王に輝いた山田哲人(ヤクルト)の盗塁数は30だった。近年のセ・リーグの盗塁王をみると、10年の梵英心(広島)が記録した43盗塁を最後に、40盗塁以上でタイトルを獲得した選手がいない。
11年以降は14年の梶谷隆幸(DeNA)が記録した39盗塁が最高で、11年の藤村大介(巨人)、13年の丸佳浩(広島)は30盗塁未満で盗塁王に輝いた。
一方、パ・リーグは15年に中島卓也(日本ハム)が34盗塁で盗塁王となったが、11年以降だと40盗塁未満で同タイトルを獲得したのは15年のみ。昨季は糸井嘉男(前オリックス)、金子侑司(西武)がリーグ最多の53盗塁を記録した。
【11年以降の盗塁王】
11年 28盗塁 藤村大介(巨人)
12年 32盗塁 大島洋平(中日)
13年 29盗塁 丸 佳浩(広島)
14年 39盗塁 梶谷隆幸(DeNA)
15年 34盗塁 山田哲人(ヤクルト)
16年 30盗塁 山田哲人(ヤクルト)
◆ 糸井、山田が可能性大!?
昨季パ・リーグ盗塁王の糸井が、オリックスから阪神へFA移籍した。史上最年長で昨季盗塁王となった糸井には、セ・リーグで7年ぶりとなる40盗塁以上達成に期待がかかる。
糸井はケガに悩まされる年があっても、ここまで9年連続2ケタ以上の盗塁をマーク。30盗塁以上を記録したシーズンは4度あり、35歳で迎えた昨季は、自己最多を大幅に更新する53盗塁を決めた。
パとセの投手の違いや、今キャンプ右膝関節炎で別メニュー調整するなど、不安要素はある。ただ、年々盗塁能力が上がっている“超人”ならば、この数字もクリアするのではないかと期待してしまう。
また、2年連続盗塁王の山田も、40盗塁を十分に狙えそうな選手のひとり。昨季は故障でシーズン途中に離脱した時期もあり、15年の34盗塁よりも4つ少ない30盗塁だった。盗塁数を減らしたが、盗塁成功率は糸井と金子の75.7%を上回る93.8%。32回の盗塁機会で失敗はわずかに2つだけ。
この2年間で山田の盗塁成功率は、90%(91.4%)を大きく超えており、盗塁機会数を増やせば、40盗塁も不可能な数字ではない。
糸井と山田が候補者となるが、その他にも14年盗塁王の梶谷、昨季リーグ2位の28盗塁を記録した田中広輔(広島)などがいる。この中から、40盗塁以上記録する選手が現れるだろうか…。