悲劇から7年...
オリックス・金子千尋のInstagram投稿がファンの間で話題になっている。
2月5日、「ヨコからのアングル」と題されて投稿された動画には、ブルペンで投球する金子千尋の姿が。一見すると何の変哲もない動画なのだが、そこには“ある仕掛け”が隠されていた。
投稿に付けられたタグを見ると、「#おおきく振りかぶってみました」「#ぜんりょくではまだない」「#とりあえず第1クール終了」「#とにかくケガ無くいきたい」「#もちろん1年間通して」「#ニネン間の悔しさをぶつける」という6つ。これも特に気になるものはない。
しかし、これをタグとしてではなく、そのまま縦に読んでいくと...「おぜとともニ」となる。
そう、この日はかつてのチームメイト・小瀬浩之の命日だったのだ。何気ない投稿の中に隠れたメッセージを受け取ったファンからは、たくさんの感動のコメントが寄せられた。
いつまでも「おぜとともに」
今から7年前、2010年の2月5日。一人の野球選手がこの世を去った。小瀬浩之、まだ24歳という若さだった。
尽誠学園高から近畿大へと進み、2007年の大学・社会人ドラフト3位でオリックスに入団。俊足巧打のプレースタイルと打撃センスから“イチロー2世”と称されるほど、将来を嘱望された選手だった。
2009年には78試合に出場し、規定未到達ながら打率.303をマーク。いよいよレギュラー獲りへ...という期待が高まった2010年、キャンプ中に宮古島の宿舎で転落死しているところが発見される。
3つ年上の金子にとって、小瀬はかわいい後輩。球場のロッカーが隣だったということもあり、「友達感覚だった」とも自身のブログで語っている。
もう7年か...という感覚もありつつ、その間に小瀬と歳が近く仲が良かった坂口智隆や大引啓次といったところはオリックスを出ていっていった。当時悲劇に立ち会った選手で今もチームに所属しているのは、金子のほかに平野佳寿、岸田護、比嘉幹貴、山田修義、西勇輝、伊藤光、T-岡田と数えるほどしかいない。
いつまでも「おぜとともに」...。悲しみを乗り越えた男たちが、21年ぶりの優勝へチームを牽引する。