広島・一岡は中継ぎで存在感
3年ぶりにリーグ優勝を目指す巨人。昨オフは陽岱鋼、山口俊、森福允彦、カミネロ、マギー、吉川光夫を獲得するなど大型補強を敢行。毎年のように選手を補強し、若手・中堅選手が出場機会を限られ、他球団へトレードやFAの人的補償で移籍するケースが増えている。そして、移籍先でチャンスを掴んだ選手がいるのも特徴的だ。
FAで加入した大竹寛の人的補償で広島へ移籍した一岡竜司がその一人。一岡は巨人時代、二軍の抑えとして結果を残していたが、山口鉄也、マシソン、西村健太朗を始めとしたリリーフ陣の層が厚く、一軍の枠に割って入る事ができず。巨人時代は2年間で一軍登板はわずかに13試合だった。
巨人時代は、二軍で結果を残しながらもチャンスが巡ってこなかったが、移籍した広島では登板機会を一気に増やした。移籍1年目の14年は、右肩の故障で離脱した時期もあったが、31試合に登板して防御率0.58とチームに欠かせない存在となった。
翌15年は1年目よりも成績を落としたものの、シーズン自己最多の38試合に登板。優勝した昨季は、故障で出遅れたものの、ビハインドゲームを中心に27試合に登板して、防御率1.82を記録した。移籍によってチャンスを掴んだ選手といえる。
市川は日ハムで2番手捕手
13年オフにトレードで日本ハムへ移籍した市川友也もそうだ。09年ドラフト4位で巨人に入団した市川だが、巨人時代は阿部慎之助が正捕手に君臨していたこともあり、4年間で一軍出場数は9試合。打って守れる阿部の壁は、あまりにも高かった。
14年から加入した日本ハムでは、13年オフに鶴岡慎也がFAでソフトバンクに移籍したこともあり、大野奨太に次ぐ2番手捕手に定着。シーズン終盤にヘルニアの影響で出場機会がなかったが、自己最多の71試合に出場した。翌15年はヘルニアで出遅れたこともあり、出場機会を43試合にとどまったが、10年ぶりに日本一となった16年は70試合でマスクを被った。
ロペスはDeNAで大爆発
一岡、市川とは立場は異なるが、14年オフに自由契約となりDeNAに移籍したロペスは、チームに不可欠な存在となっている。巨人1年目の13年は打率.303をマークしたが、2年目は好不調の波が激しく打率.243に落とした。15年から阿部慎之助が一塁へコンバートすることを見据え、ロペスは14年オフに自由契約となった。
15年に移籍したDeNAでは、筒香嘉智の後を打つ5番打者として、1年目は来日が自己最多となる25本塁打、73打点をマーク。さらに16年は、前年を大きく上回る34本塁打、95打点の成績を残し、球団初のクライマックスシリーズ進出の立役者となった。
昨オフは吉川光夫、石川慎吾とのトレードで大田泰示、公文克彦が日本ハム、柿沢貴裕とのトレードで小山雄輝が楽天、FAで加入した山口俊の人的補償で平良拳太郎がDeNAへ移籍した。平良は25日の巨人とのオープン戦で5回を無失点に抑えれば、大田泰示も紅白戦や練習試合で存在感を見せている。新天地で出場機会を掴み、一岡、市川に続けるか注目だ。