味方打線を完封
西武の新外国人投手ブライアン・シュリッターがベールを脱いだ。
27日の2次キャンプ最終日。打撃練習で来日後初めて打者と対戦した右腕は、味方の若手打者3人をシャットアウト。安打性の当たり0本に封じる好投を見せた。
不思議なほど打球が前に飛ばない。195センチ・106キロの恵まれた体格から投じられる剛速球もさることながら、鋭く落ちるシンカーが圧巻。ゴロを打たせてとるのに最適で、長打を許さない。
チームの台所事情からリリーフとして起用されることは濃厚。まずは9回の増田につなぐセットアッパーとしての活躍が期待されるが、早くも守護神として期待するような声も挙がっている。
プロ入りからリリーフ専門
メジャー経験は3シーズンで、2014年はカブスで61試合に登板。昨季は3Aで36試合に登板し、1勝2敗で防御率3.64という成績を残した。
2009年のプロ入りからリリーフ専門で、マイナーでは通算112セーブを記録。長身から投げ下ろす速球とシンカーを武器に、本場でもパワーでねじ伏せる投球を信条としてきた。
シュリッターのピッチングを見て思い出す投手が、キャム・ミコライオ(元広島、楽天)だ。
彼も205センチの長身から繰り出されるツーシームを武器に、ゴロの山を量産。NPBでは4年間で通算212試合に登板し、73セーブを記録している。
あとは3A通算163試合で与四球率4.0とやや多かった与四球を減らすことができれば、セットアッパーやクローザーとして結果を残すことができるはずだ。
“2つの穴”を一気に埋める...?
ただし、ここで不安なポイントがひとつ。味方の内野陣のことだ。
昨季は計65個のエラーを記録するなど、球際の弱さが目立った西武の内野陣。この弱点が改善されなければ、せっかくゴロを打たせてもエラーで出塁を許してしまう場面や、打ち取ったと思った打球がアウトにならないシーンも出てくることだろう。
そうなった時に、いかに気持ちを切り替えてプレーできるか。本人の意識はもちろん、チームメイトや首脳陣の支えも必要となってくる。
昨季は4人の外国人投手が自由契約となった西武。特にバンヘッケンは推定年俸1億4000万で獲得したにも関わらず、わずか10試合の登板に終わるなど、大きく期待を裏切られた。
リリーフと助っ人…。シュリッターは近年の西武が苦しむ“2つの穴”を一気に埋める救世主となるか。長身右腕にかかる期待は大きい。