好投を続けた2月の実戦登板
3月29日にセ・パ両リーグは開幕一軍登録選手を発表した。オープン戦12球団ナンバー1のチーム防御率を記録したロッテ投手陣の中で、開幕一軍を目指しキャンプ、オープン戦でアピールを続けていた2年目の高野圭佑の名前はなかった。
遡ること今から2カ月前の1月22日のロッテ浦和球場。グラウンドで新人選手たちが汗を流す中、高野はブルペンで鋭い目つきで、熱のこもった投球練習を行っていた。こちらにも、今季に懸ける強い意気込みが伝わってきた。
「伊東監督にもストレートの良さを評価していただいた。評価して頂いたストレートを磨いていく方向で考えていた」。
オフは自身の最大の武器である“ストレート”を磨いた。キャンプは一軍で迎え、2月は紅白戦、練習試合、オープン戦に5試合に登板し、7イニングを無失点。南昌輝、松永昂大、藤岡貴裕、大谷智久、内竜也、益田直也といった強力リリーフ陣に割って入るため必死に腕を振った。
3月に入ってからも無失点投球を続け9日の阪神戦が終わった時点で、2月の練習試合からの無失点記録は10イニングまで伸びた。
3月12日のDeNA戦で初失点…
だが、3月12日のDeNA戦でオープン戦初失点を境に、走者を背負う場面が目立つようになる。20日の阪神戦で新井良太に2ランを浴びると、オープン戦最終登板となった23日のDeNA戦では無失点に抑えたが、2安打、1与四球という投球内容。
開幕が近づいてくるにつれて打者の状態もあがってくる。それが打たれた原因に関係しているのかと質問すると、高野は「バッターどうこうという話ではないですし、それは関係ないですよ」とキッパリと否定した。
つづけて「ストレートの質を高めることと、維持していくこと。シーズン通して維持していくことが重要になってくるので、そこができない限りはなかなか厳しいのではないかなと思っている」と自身の生命線でもある“ストレート”の出来が、一軍で投げるための最重要課題であると再認識した。
ストレートを活かすため、ツーシームやフォークといった変化球を昨秋のキャンプに挑戦したという高野は「結局オープン戦でやってきて、今ここにいるのが現状。それをここ(二軍)でやっている以上は結果が出ていないので、進化していかないといけない」と話す。
開幕一軍を逃したが、二軍で結果を残せばチャンスはすぐに回ってくるはずだ。その時が来るまで、熱く冷静に進化を続けていく。