◆ 最高のスタート

不安を露呈したオープン戦から一転、開幕3連勝という最高のスタートを切った巨人。立役者は38歳のベテランだった。

プロ17年目の開幕を迎えた阿部慎之助は、3月31日の開幕戦の初回に中日・大野雄大からいきなりの1号2ラン。プロ野球・2017年シーズンの第1号弾を放つ。

プロ17年目にして、意外にも初めての開幕戦アーチ。3回にも適時打を放つなど、2安打で3打点の大活躍で勝利に貢献すると、お立ち台では「今日は角さんが試合前に(場内放送で)プレッシャーをかけてくれたので打てた。300号以上打った選手であいつだけ開幕戦で打っていないという声がシートノック中に耳に突き刺さった」と笑わせた。

◆ 38歳の躍動

続く第2戦では、1点差を追う9回裏の二死から起死回生の逆転サヨナラ3ラン。第3戦でも4回の同点適時打を含む2安打の活躍で、開幕3連戦合計で打率.545、2本塁打、8打点と最高のスタートを切った。

昨年は右肩痛で出遅れ、この場にいなかった男が見せた復活劇。これにより、生え抜きでは球団史上5人目、大卒では長嶋茂雄さん以来で2人目となる通算2000本安打に向けても良いスタートを切った。

3連戦で6本の安打を積み上げ、大記録までは残り77本。「それは心の中だけにします」と個人記録は二の次であることを語っている阿部であるが、周囲からの期待の大きさは理解している。

また、2000本安打と並行して400号本塁打にもじわじわと迫っている。3連戦終了時点で通算本塁打は375本。これは現役選手では最多の本数だ。

捕手の座は後輩に譲ったものの、野球選手・阿部慎之助のキャリアはまだ終わらせない。大記録もかかる2017年シーズン、38歳を迎えた巨人の背番号10の活躍から目が離せない。

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