2015年のドラフトでプロ入りした選手が、2年目のシーズンを迎えた。活躍している選手もいれば、伸び悩んでいる選手もいる。今後、それぞれがどのように成長していくのか楽しみだ。
2015年のドラフトでは、高山俊外野手(明大→阪神1位)、桜井俊貴投手(立命大→巨人1位)、小笠原慎之介投手(東海大相模高校→中日1位)、オコエ瑠偉外野手(関東一高→楽天1位)ら、前評判の高かった選手たちが順当に指名を受け、そのままプロ入りを果たした。
だが、当初からドラフトの上位指名は確実と言われていた選手の指名漏れがあったことを覚えているだろうか――。それは、元慶応大の谷田成吾外野手(23)だ。昨季から巨人を率いている高橋由伸監督と同じ慶大のスラッガーで、『ヨシノブ2世』との呼び声も高かった。
あるスカウトは「プロでも十分に通用する。あの飛距離は魅力的だよ」と断言。近年の大学野球出身選手にしては話題性も十分だったが、まさかの指名漏れ。なぜだったのか。
在阪のスカウトいわく、「右投左打のバッターは今では普通。左打者なら、谷田以上の選手はいる。12球団は右打者のスラッガーを探していて、もし谷田が右打者なら確実に1位で指名されていたのではないか」とのこと。
その年によって、右打者なのか左打者なのか、各球団は補強ポイントを決めるものだが、今季に関しては左より右を補強ポイントにしていたということか。谷田にとっては、不運だった。
本人はもちろん、周囲もドラフト指名、そして1位指名が確実と思っていた。慶応高校では1年から4番に座り、3年春には神奈川県大会優勝。甲子園出場はなかったが、通算76本塁打という強打をひっさげ慶大へ進学した。
慶大では、1年春から主力選出として活躍。2年秋からは3季連続で打率.300を越えた。主に3番打者として慶大打線を引っ張り、通算15本塁打をマークした。これは東京6大学野球史上12位(史上1位は高橋由伸で23本塁打)の数字だった。
現在は悪夢の指名漏れから立ち直り、社会人野球の名門、JX-ENEOSの野球部へ。慶大時代の背番号『24』をそのまま付け、昨年3月、いきなり4番打者に抜擢された。
すでに本塁打も放ち、スラッガーとしての存在感を示している。社会人野球の東京大会予選では、サヨナラ安打を含む5打数3安打と大暴れ。打撃力は、まったく衰えていないのだ。
JX-ENEOSは、旧日本石油。日石野球部といえば、かつては巨人で大活躍した故・藤田元司投手、大洋で活躍した『かみそりシュート』の平松政次投手らプロにも多くの選手を輩出。優勝11度を誇る社会人野球の名門だ。
谷田自身も、プロ入りを諦めてはおらず「2年後、17年のドラフトで指名していただけるように、がんばります」と前を向く。『ヨシノブ2世』と呼ばれていることにも「高橋先輩に少しでも近づけるように自分を磨きます」と明るく話した。
プロ入りに絞っていた谷田は、ドラフト直後から“就職活動”をはじめ、最終的にJX-ENEOSに入社したが、社会人の10社以上から問い合わせがあったという。
慶大の同期、山本康寛内野手は巨人5位、横尾俊建内野手は日本ハム6位で指名された。谷田よりもプロの評価が低いと思われていた2人が指名され、谷田が指名漏れ。これには慶大の大久保秀昭監督もショックを隠しきれなかったという。
今秋のドラフトでは、憧れている巨人から指名を受ける可能性も考えられる。巨人は、どちらかといえば右打者よりも左打者の方が不足している印象で、選手層は厚いものの、世代交代を進めている最中だ。
谷田は現在、来年のプロ入りに向け、打撃改造にも取り組んでいる。夢のプロ野球選手へ、『ヨシノブ2世』の挑戦は、まだまだ続く。
順当な指名も…
2015年のドラフトでは、高山俊外野手(明大→阪神1位)、桜井俊貴投手(立命大→巨人1位)、小笠原慎之介投手(東海大相模高校→中日1位)、オコエ瑠偉外野手(関東一高→楽天1位)ら、前評判の高かった選手たちが順当に指名を受け、そのままプロ入りを果たした。
だが、当初からドラフトの上位指名は確実と言われていた選手の指名漏れがあったことを覚えているだろうか――。それは、元慶応大の谷田成吾外野手(23)だ。昨季から巨人を率いている高橋由伸監督と同じ慶大のスラッガーで、『ヨシノブ2世』との呼び声も高かった。
チーム事情?
あるスカウトは「プロでも十分に通用する。あの飛距離は魅力的だよ」と断言。近年の大学野球出身選手にしては話題性も十分だったが、まさかの指名漏れ。なぜだったのか。
在阪のスカウトいわく、「右投左打のバッターは今では普通。左打者なら、谷田以上の選手はいる。12球団は右打者のスラッガーを探していて、もし谷田が右打者なら確実に1位で指名されていたのではないか」とのこと。
その年によって、右打者なのか左打者なのか、各球団は補強ポイントを決めるものだが、今季に関しては左より右を補強ポイントにしていたということか。谷田にとっては、不運だった。
実績は十分
本人はもちろん、周囲もドラフト指名、そして1位指名が確実と思っていた。慶応高校では1年から4番に座り、3年春には神奈川県大会優勝。甲子園出場はなかったが、通算76本塁打という強打をひっさげ慶大へ進学した。
慶大では、1年春から主力選出として活躍。2年秋からは3季連続で打率.300を越えた。主に3番打者として慶大打線を引っ張り、通算15本塁打をマークした。これは東京6大学野球史上12位(史上1位は高橋由伸で23本塁打)の数字だった。
社会人の名門で腕を磨く
現在は悪夢の指名漏れから立ち直り、社会人野球の名門、JX-ENEOSの野球部へ。慶大時代の背番号『24』をそのまま付け、昨年3月、いきなり4番打者に抜擢された。
すでに本塁打も放ち、スラッガーとしての存在感を示している。社会人野球の東京大会予選では、サヨナラ安打を含む5打数3安打と大暴れ。打撃力は、まったく衰えていないのだ。
JX-ENEOSは、旧日本石油。日石野球部といえば、かつては巨人で大活躍した故・藤田元司投手、大洋で活躍した『かみそりシュート』の平松政次投手らプロにも多くの選手を輩出。優勝11度を誇る社会人野球の名門だ。
目指すは17年のドラフト
谷田自身も、プロ入りを諦めてはおらず「2年後、17年のドラフトで指名していただけるように、がんばります」と前を向く。『ヨシノブ2世』と呼ばれていることにも「高橋先輩に少しでも近づけるように自分を磨きます」と明るく話した。
プロ入りに絞っていた谷田は、ドラフト直後から“就職活動”をはじめ、最終的にJX-ENEOSに入社したが、社会人の10社以上から問い合わせがあったという。
慶大の同期、山本康寛内野手は巨人5位、横尾俊建内野手は日本ハム6位で指名された。谷田よりもプロの評価が低いと思われていた2人が指名され、谷田が指名漏れ。これには慶大の大久保秀昭監督もショックを隠しきれなかったという。
今秋のドラフトでは、憧れている巨人から指名を受ける可能性も考えられる。巨人は、どちらかといえば右打者よりも左打者の方が不足している印象で、選手層は厚いものの、世代交代を進めている最中だ。
谷田は現在、来年のプロ入りに向け、打撃改造にも取り組んでいる。夢のプロ野球選手へ、『ヨシノブ2世』の挑戦は、まだまだ続く。