◆ 昨季王者の憂鬱
昨季の日本一王者が苦しんでいる。
4月12日終了時点で3勝8敗。借金5はパ・リーグの最下位だ。噛み合わないチームに相次ぐ故障者。特に4月に入ってからは呪いにかかったかのように主力の離脱が相次いだ。
発端は4月8日、大谷翔平の離脱から。オリックス戦の第1打席、ボテボテの内野ゴロで一塁へとダッシュしたところで足に異変。足を引きずるようにしてベンチ裏へと引き上げた。
検査の結果、『左太ももの肉離れ』と診断。そのまま二軍降格となると、その2日後にはインフルエンザB型を発症とまさに踏んだり蹴ったりの状態となっている。
大谷のインフルエンザが発覚した10日には、中田翔が病院で検査を受けて『右内転筋筋挫傷』と診断。その後も一軍には帯同したものの、13日付で登録抹消となると、その間には守護神のクリス・マーティンが『右肘の違和感』で登録抹消。12日には杉谷拳士が『左ヒラメ筋筋挫傷』と、負の連鎖が止まらない。
◆ 待たれる故障者の復帰
もっと苦しいのが、ファームも故障者の復帰待ちとなっている状況なこと。今年1月からの故障者を振り返ってみよう。
【2017年・日本ハムの離脱者】
<1月>
高良一輝 『右太もも裏の肉離れ』
<2月>
浅間大基 『腰痛』 ※12日にファームで復帰
飯山裕志 『左大腿二頭筋筋挫傷』
<3月>
大田泰示 『左腹斜筋筋挫傷』
谷口雄也 『右ひざ前十字靭帯の再建手術』
郡 拓也 『左手関節尺骨形状突起亀裂骨折』
<4月>
大谷翔平 『左大腿二頭筋肉離れ』(インフルエンザB型)
マーティン 『右肘の違和感』
中田 翔 『右内転筋筋挫傷』
杉谷拳士 『左ヒラメ筋筋挫傷』
この中で現在までに実戦復帰を果たしているのは、12日に復帰したての浅間くらい。起爆剤となるような選手がいないというのが現状だ。
12日のソフトバンク戦、レアードに待望の今季第1号が飛び出して連敗を6で止めた日本ハム。試合後、栗山英樹監督は「苦しんでいたけれど、必ずらしさを出してくれると信じていた。やるしかないんで」と淡々と語った。
いない人のことを考えていても仕方がない。今いる選手たちで、今ある戦力で「やるしかない」のだ。長いペナントレース、今年も大逆転劇を実現することが出来るか…。指揮官の腕の見せ所がいきなりやってきた。