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鯉の快進撃を支える『大卒投手王国』

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セ・リーグ最速で完投勝利を挙げた広島・岡田(C)KYODO NEWS IMAGES

先発勝利は全員“大卒”


 昨年の王者・広島が今年も好調だ。開幕15試合を11勝3敗1分で乗り切り、貯金は早くも8つ。安定した強さで今年も首位を走っている。

 広島の下馬評はと言うと、「昨年は出来すぎ」という声も少なくなく、また投手陣の精神的支柱を担った黒田博樹がユニフォームを脱いだことで、“黒田ロス”に陥るのでは...という心配も指摘されていた。

 ところがフタを開けてみると、ここまでのチーム防御率は3.04でリーグトップ。黒田が抜けた先発陣はここまでリーグトップのイニング数98回1/3を記録し、それでいて防御率はリーグ2番目の3.39と安定したパフォーマンスを披露している。

 先発陣の勝利の内訳を見てみると、九里亜蓮と岡田明丈が2勝で引っ張り、野村祐輔とルーキーの加藤拓也、床田寛樹が1勝ずつの計7勝。そんな彼らにはある“共通点”がある。全員が大卒でプロの世界へと入ってきた投手たちということだ。


今年も救世主現る...?


 思えば昨年、開幕前の広島が指摘されていたのが“マエケンロス”――。エース・前田健太のメジャー移籍に伴い、苦戦が予想されるという声だった。

 そんな心配を拭い去ったのが、野村祐輔の大ブレイク。かつての新人王も数シーズンは伸び悩みに苦しんだが、昨季は打たせて取る投球が開花。16勝3敗という成績で最多勝と最高勝率のタイトルを獲得するなど、前田健太の穴を見事に埋めてみせた。

 迎えた今季、“黒田ロス”が囁かれた投手陣を引っ張っているのが九里亜蓮と岡田明丈。野村と同様、大卒のドラフト上位指名投手ながらも、今ひとつ殻を破りきれていなかった2人である。

 昨年までの3年間でわずか4勝に留まっていた九里は、オープン戦では2試合・10イニングの登板ながら失点0の好投でアピールに成功。開幕ローテを掴むと、初登板となった4月2日の阪神戦で6回1失点の好投。最初の登板で初勝利を掴む。

 勢いに乗った右腕は続く9日のヤクルト戦でも7回を1失点の好投で2連勝。16日の阪神戦は黒星こそついたが、8回途中2失点の力投で指揮官からの賞賛を受けた。


 またもう一人、岡田は2015年のドラフト1位右腕。昨季はルーキーイヤーで4勝(3敗)を挙げるも、やや物足りなさも感じられたシーズンに。迎えた今季、最初の登板となった1日の阪神戦は4回7四球の乱調で6失点を喫するも、次回登板でこれをきっちりと修正する。

 8日のヤクルト戦では完封目前の9回に1点を取られて途中降板となるも、8回1/3を1失点で今季初勝利。15日の阪神戦では9回113球の1失点で、リーグ一番乗りの完投勝利を挙げた。

 とにかくイニング数を消化できるというのが2人の強みで、岡田は21回1/3でリーグトップ、九里も20回2/3でリーグ3位。昨年までは頼りなかった2人がローテの柱となってチームを支え、“黒田ロス”に加えてエースのジョンソンも欠いているという緊急事態をまるで感じさせない安定感を誇っている。


“大卒投手王国”が連覇の原動力に


 この2人に限らず、4月7日のヤクルト戦でプロ初登板ながらノーヒッター寸前という快投を見せた加藤拓也や、左腕の床田寛樹も大卒の投手。1年目のこの時期にすでに初勝利をゲットするなど早くも存在感を発揮しており、あとはここまで2戦で勝ちがついていないかつてのドラ1・大瀬良大地が勝ち始めると、いよいよ手のつけられない状況になってくる。

 活発な打線、野手に注目が集まりがちな広島であるが、この快進撃も安定した投手力があってこそ。鯉の“大卒投手王国”が、2連覇の原動力となる。

【広島・一軍投手陣】
12 九里亜蓮(13年2位/亜細亜大)
13 加藤拓也(16年1位/慶応大)
14 大瀬良大地(13年1位/九州共立大)
16 今村 猛
17 岡田明丈(15年1位/大商大)
19 野村祐輔(11年1位/明治大)
23 薮田和樹(14年2位/亜細亜大)
26 中田 廉
28 床田寛樹(16年3位/中部学院大)
58 ジャクソン
66 ヘーゲンズ
70 ブレイシア
[※メンバーは4月16日時点]
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