日本ハム・栗山英樹監督

◆ 深刻な貧打

 昨季の日本一王者・日本ハムが苦しんでいる。

 大谷翔平や中田翔といった主力級の打者が相次いで離脱していることもあり、総得点38はリーグワースト。近藤健介が打率.438とひとり気を吐いているが、規定到達でその近藤に続くのが.250の田中賢介というなんとも厳しい状況だ。

 特にここ10試合に関しては、1試合の平均得点が1.8点という絶望的な数字。計算上、2点取られたらアウトということ。それも期間中の18得点のうち、近藤が叩き出したものが8点もある。

 近藤が.643という驚異的な得点圏打率を残している一方で、チームの得点圏打率は.176。これは12球団ワーストの数字だ。もう絶好調男に頼るしかないというのが現状となっている。

◆ 接戦に持ち込む力はある

 苦しむ打線の一方で、投手陣は力投を見せる。

 エース・大谷翔平の不在に加え、代わりに柱となるべき有原航平が不調に悩む中、チーム防御率は3.54でリーグ3番目という成績。リリーフ陣の登板数が楽天に次ぐ2位の49試合となっており、その負担も心配されるところではあるが、救援防御率も2.39でリーグ3位と今年も安定感を誇っている。

 そのため、僅差での負けが多いというのも今季の特徴だ。ここまでの16試合のうち、12試合が3点差以内のゲームで、その勝敗の内訳は3勝9敗。勝率にすると.250と負けが込んでいる。

 優勝した昨季は、3点差以内の試合で55勝40敗。勝率にして.579と接戦での強さが目立っていただけに、こういったところにも今年の苦戦ぶりが現れている。

 ただし、あえてポジティブにとらえるならば、打てない現状の中でも接戦に持ち込むことはできている。競った試合ができているということは、1割台に低迷する得点圏打率がもう少し上がってくれば、これまで黒だったものが白にひっくり返るケースも増えてくることだろう。

 戦線離脱中の中田も実戦復帰が近づいていることが報じられており、まさに今が耐え時。最大11.5ゲーム差をひっくり返して優勝した昨年のように、どん底からの逆襲をファンは信じている。

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