◆ 巨人を引っ張る主砲
巨人の主砲・阿部慎之助が好調をキープしている。ここまで全16試合に出場し、打率.373はリーグ2位。本塁打5、打点22はリーグトップと、主要3部門で上位を独占している。
3月31日の開幕戦、第1打席で放ったいきなりの第1号本塁打。プロ17年目にして自身初の開幕弾が、快進撃の号砲だった。
上述の通り、3部門すべてでリーグトップクラスの成績を残し、試合を動かす“殊勲打”(=先制、同点、勝ち越し、逆転の安打)の数は両リーグトップの7本。打線の中心で存在感が際立っている。
個人としても通算2000安打という偉業が目前に迫ったなかでのシーズンになるが、「それは心の中だけにとどめて、チームが勝てるように一本ずつ、勝利のために打ちたいと思います」。ベテランは常にチームの勝利を考えている。
◆ なによりも「勝利の一本」
キャンプ前の恒例行事となっているグアムでの自主トレ。阿部はかつての打棒を取り戻すべく、打撃改造に乗り出した。
右足を引きつけながら、大きく上げるようにする新打法。しかし、キャンプからオープン戦と実戦を積み重ねていくなかで、次第に右足の出方が変わってくる。
変わるというより、“戻る”の方が適切かもしれない。右足は足裏を見せるような独特な上げ方で、そこまで大きく上げることはしない。従来のフォームに段々と戻っていった。
それでも、今年は開幕から打撃絶好調。目に見える成績はもちろんのこと、殊勲打の数にも現れているようにここ一番での強さが際立っている。
どんな記録よりも、「勝利の一本」にこだわりを見せるチームの主砲。復活を遂げた阿部がどんな成績でシーズンを終えるのか。好スタートを切ったベテランから目が離せない。