昨季は5名がFA移籍も...
2016年オフの話題をさらった“FA戦士”たちが軒並み苦しい戦いを強いられている。
5名が移籍した昨年の移籍市場。そのなかでここまで一軍で試合に出場できていない選手が2名もいる。また、ここに来てアクシデントや二軍降格の危機を迎えている選手も出てきており、まさに危機的状況を迎えているのだ。
史上初の3選手獲得
FA史上では山口俊、森福允彦、陽岱鋼と一気に3名の選手を獲得。これはプロ野球史上でも初めてのことであった。
ところが、フタを開けてみると山口は肩の不安から春のキャンプ三軍スタートとなると、その後も状態は上がる兆しを見せず。現在はブルペンでの調整を続け、実戦登板の機会を伺っているという状態だ。
陽岱鋼も大きな期待を受けて入団したが、キャンプ中に下半身の不調で戦線離脱。こちらも三軍での調整が続いている。チームは長野久義の不振などもあって外野が苦しい状況となっているだけに、早期復活が待たれるところだ。
そしてもう一人、唯一FA組で開幕一軍メンバー入りを果たした森福も苦境を迎えている。
貴重な中継ぎ左腕として期待を受けながら、ここまでは7試合で0勝2敗、防御率5.40と開幕から苦しい戦いが続く。24日にも登録抹消となる可能性も報じられており、FA組が一軍から消える可能性も浮上。V奪回を目指すチームにとって、この誤算は大きな痛手となりそうだ。
投打の“目玉”は…
森福と同様、ここに来て不安を露呈したのが楽天の岸孝之だ。
地元・仙台に帰ってきた右腕は開幕投手に内定するも、開幕直前にインフルエンザを発症して離脱。復帰後に迎えた初登板では好投を披露して移籍後初勝利を掴んだものの、3度目の登板となるはずだった23日のソフトバンク戦ではプレイボール直前に腰の痛みを発症して登板を回避した。
大事を取っての回避とは言え、箇所が箇所だけに心配は尽きない。もともと西武時代から故障が多かったということもあり、このあとの経過に注目が集まる。
最後に、野手の目玉として大きな注目を集めた男といえば、阪神・糸井嘉男だ。
春のキャンプでは膝の故障から別メニューでの調整が続き、かなり不安な出だしとなったものの、超人的な回復力を発揮して開幕一軍入り。ここまで全19試合に出場して打率.275、3本塁打、14打点という成績を残している。
打率はリーグで17番目ながら、得点圏打率.412は4番目と勝負強さを発揮。今や中軸として欠かせない存在となっている。
“超人”糸井を除いて苦闘が続く昨オフのFA組。出遅れた選手、波に乗れなかった選手たちはどれだけ挽回することができるか。これから続いていくシーズンの注目ポイントになる。
【FAおさらい】
・糸井嘉男(オリックス⇒阪神)
[補償] 金田和之
・岸孝之(西武⇒楽天)
[補償] 金銭
・山口俊(DeNA⇒巨人)
[補償] 平良拳太郎
・森福允彦(ソフトバンク⇒巨人)
[補償] なし
・陽岱鋼(日本ハム⇒巨人)
[補償] 金銭