阿部慎之助 ,
巨人・阿部慎之助(C)KYODO NEWS IMAGES【17年5月16日】

◆ “若大将超え”目前

 5月16日のヤクルト戦。初回、二死二塁で打席に入った巨人の4番・阿部慎之助は、追い込まれながらも外寄りの速球を逆らわずに弾き返すと、打球はレフトポール際に吸い込まれた。

 難敵・ブキャナンの出鼻をくじく先制2ラン。「行ったなと思った」と手応えばっちりの一撃で、チームを勢い付けた。

 ここ5試合で3発と再び状態を挙げてきた巨人の主砲。これで通算本塁打も381本となり、前監督である原辰徳氏の記録(382本)にあと1本と迫っている。

◆ 球団史に名を刻む背番号「10」

 原氏を越えると、その先に待つのは栄光の背番号「3」長嶋茂雄氏の444本。そして1位が868本の王貞治氏となる。

 現在単独4位につけている阿部が原氏の記録を抜くのは時間の問題。今シーズン中には球団歴代3位の本塁打数となり、ついに自身が尊敬してやまない長嶋氏の背中も見えてくる。

 プロ入りから17年…。巨人の正捕手、そして4番という重責を背負いながらも結果を残し続けてきた男は、着々とレジェンドへの歩みを進めて来た。
 
 本塁打はもちろん、2000本安打という偉業も目前に迫っている今シーズン。個人の記録は気にせず、体を張って21世紀の巨人を支え続けてきた背番号「10」がその数字をどこまで伸ばしていくのか、注目だ。

【阿部慎之助・通算記録】
・1997試合(50位)
・打率.286
・1952安打(52位)
・381本塁打(22位)
・1169打点(26位タイ)

※()内は歴代順位。5月17日時点

もっと読む