◆ 今季初の4連勝
セ・リーグ最下位の中日が反撃の狼煙を上げた。
19日(金)から始まった前年王者・広島との3連戦。昨季は7勝17敗1分とコテンパンにやられた相手に対し、延長10回のビシエドのサヨナラ2ランで初戦を取ると、翌日は1点のリードを守り抜いての2-1勝ち。今シーズン初の3連勝で勢いに乗ると、21日のゲーム3も7-4で勝利。今季初の同一カード3連勝を飾った。
対広島での同一カード3連勝は、2015年8月18日から8月20日の3連戦以来。昨年苦しめられた相手を叩いて連勝を4に伸ばした森ドラゴンズは、これを逆襲のキッカケとすることができるだろうか。
◆ ツインバズーカの覚醒
チームが調子を上げている要因のひとつが、助っ人コンビの好調にある。
来日2年目のビシエドが5月に入って17試合で打率.367をマークし、本塁打も5本。打点はリーグトップの19を記録している。広島戦スイープのキッカケとなった19日の試合では、防御率0.00と安定した投球を続けていたジャクソンからサヨナラ2ランを放った。
そのビシエドに乗せられるようにして調子を上げているのが、来日1年目のゲレーロである。4月はスタメン落ちも経験した大砲が、5月はここまでリーグトップタイの7本塁打をマーク。このツインバズーカが相手に脅威を与えているのだ。
【5月の成績】
▼ ダヤン・ビシエド
17試 率.367(60-22) 本5 点19
出塁率.426 長打率.717 OPS1.143
▼ アレックス・ゲレーロ
17試 率.293(58-17) 本7 点11
出塁率.379 長打率.672 OPS1.051
◆ 驚異の“アベック力(りょく)”
また、この2人は“不思議な力”も発揮している。
【中日・1試合に複数本塁打が出た試合】
4月 2日(vs.巨) ゲレーロ(1号)、平田(1号)
4月20日(vs.神) 平田(3号)、ビシエド(1号)
4月25日(vs.ヤ) ゲレーロ(2号)、松井雅(1号)
5月 3日(vs.広) 京田(1号)、ゲレーロ(3号)
5月 7日(vs.巨) ゲレーロ(5号)、ビシエド(4号)
5月 9日(vs.De) ビシエド(5号)、ゲレーロ(6号)
5月13日(vs.ヤ) ゲレーロ(7号)、ビシエド(6号)
5月19日(vs.広) ゲレーロ(8号)、ビシエド(7号)
今シーズンはここまで8試合で複数本塁打が出ているなか、うち半分の4試合がゲレーロとビシエドの“競演弾”となっているのだ。
5月に限れば5試合中4試合でアベックアーチを記録しており、互いの活躍を刺激に、まさに切磋琢磨しながら本塁打数を積み上げている。
近年は貧打、特に大砲不在に悩まされてきた中日だけに、2人の覚醒は大きな光明。5月好調なビシエドとゲレーロの2大砲が、逆襲への道を切り開く。