プロ初勝利を手にした2人
「両親に届けたいと思います!」
5月31日のオリックス-ヤクルト戦と、ソフトバンク-中日戦。2つの試合のヒーローインタビューで、「初勝利のボールはどうしますか?」と問われた2人のヒーローから全く同じ言葉が聞かれた。その2人とは、同じ日にプロ初勝利を記録した小林慶祐(オリックス)と石川柊太(ソフトバンク)だ。
社会人からドラフト5位で入団したルーキーの小林は、チームの5番手として10回表のマウンドに上がり、二死ながら一三塁のピンチを無失点で切り抜けた。するとその裏に駿太のサヨナラ適時打が生まれ、プロ初勝利を手にした
一方、育成から昨年に支配下登録された4年目の石川は、先発として6回を投げきって2失点。被安打6の無四球と素晴らしいピッチングを披露し、先発陣の負傷や不調によって巡ってきたチャンスをしっかりとモノにした。
初々しいルーキーから4年目を迎えてブレイクの兆しを感じさせる投手まで、5月は4月の9人を上回る選手に“プロ初勝利”という記録が記された。
初勝利ラッシュのオリックス
オリックスは、5月7日の日本ハム戦の11回表に7番手としてマウンドに上がった赤間謙が2回を無失点に抑えて初勝利を記録。同16日には、ルーキーながら“勝利の方程式”の一角を担うドラ2の黒木優太が2番手としてマウンドに上がり、初勝利を手にした。
そして5月28日には、ドラ1ルーキーの山岡泰輔がロッテ相手に6回1失点と好投。これまでも試合を作りながら白星に恵まれなかった新人右腕が、7度目の挑戦で待望の初勝利を挙げた。
今回の小林を含めると5月だけで4人の投手がプロ初勝利を挙げたオリックス。まさに“初勝利ラッシュ”だ。5月は6勝19敗という結果に終わったが、6勝中4勝がプロ初勝利だった。
紆余曲折の4年目でつかんだ白星
5月は5人の新人が初勝利を手にした一方で、プロ4年目を迎えた投手も4人いた。そのうち、中村祐太(広島)、鈴木翔太(中日)、平良拳太郎(DeNA)の3人が高卒4年目になる。
中村はこれまでの3年間、二軍でも通算14試合の登板と、ルーキーイヤーから怪我に悩まされてきた。鈴木も怪我の影響で昨季は二軍での登板がわずか3試合。そういったこれまでの状況を思えば、初勝利の喜びは大きかったことだろう。
また、山口俊の人的補償で巨人からDeNAにやってきた平良も、「自分が選ばれるとは…」と複雑な胸中を口にしたこともあったが、新天地でうれしいプロ初勝利を手にしている。いずれも先発での白星であり、今後の活躍にも期待がかかる。
【5月にプロ初勝利を挙げた投手一覧】
5月 3日:中村祐太(広島・4年目)
5月 4日:菅原秀(楽天・1年目)
5月 7日:星知弥(ヤクルト・1年目)
5月 7日:赤間謙(オリックス・2年目)
5月 9日:鈴木翔太(中日・4年目)
5月10日:平良拳太郎(DeNA・4年目)
5月16日:黒木優太(オリックス・1年目)
5月28日:山岡泰輔(オリックス・1年目)
5月31日:小林慶祐(オリックス・1年目)
5月31日:石川柊太(ソフトバンク・4年目)