◆ どん底の9連敗…
巨人が苦しんでいる。
6月3日のオリックス戦。試合前まで防御率リーグトップと安定した投球を見せていた田口麗斗を中5日で持ってくるも、初回にまさかの4失点炎上。5回5失点と試合を作ることができなかった。
打線は5点を追う6回、村田修一が3戦連発となる満塁弾。自身プロ通算350号のメモリアル弾で反撃の狼煙を上げるも、見せ場はここだけ。大歓声は約1時間後にため息に変わった。
◆ 優勝確率0%!?
交流戦最初のカードが、パ・リーグ首位を走る楽天戦。この初戦でいきなりエース・菅野智之が5回8失点と打ち込まれて敗れると、ショックを引きずったかこのカード3連敗を喫した。
さらに続く2カード目のオリックス戦も、初戦で9回3点リードを守ることができず、結局延長戦の末に敗戦。交流戦は未勝利の5連敗となり、その前から続いていた連敗は「9」にまで伸びた。
9連敗は2006年の7月以来で11年ぶりという屈辱。過去に9連敗を喫したシーズンは1度も優勝がなく、データ上“優勝不可能”となっていることも取り上げられて大きな話題となっている。
◆ どこかでキッカケを…
チームは弱点である二塁の穴を埋めるべく、ルイス・クルーズを一軍に昇格。しかし、一軍の外国人枠はフルに埋まっていたため、誰かを二軍に落とさなければならない。そこで指揮官は守護神であるアルキメデス・カミネロを二軍に落とした。
浮上のためにある種の“賭け”に打って出たチームであるが、その結果2日のオリックス戦で逃げ切りに失敗したように、今のところはいい方向に出たと言い難い状況にある。
3日の試合では、小林誠司に第1打席が回る3回に代打を出すなど、なりふり構わぬ采配で勝利への道を模索するシーンも見られた。トンネル脱出のために、打てる手は尽くす。そんな姿勢はひしひしと伝わってくる。
まずはこの嫌な流れを止めること…。球団記録の11連敗という数字も目に入る中、キッカケの勝利を掴むことができるか。2年目の由伸巨人は正念場を迎えている。