ニュース 2017.06.06. 13:00

改めて振り返る『プロ初打席初本塁打』の歴史

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広島・バティスタ(C)KYODO NEWS IMAGES

史上60人目&史上24人目&史上15人目


 広島の“秘密兵器”が大仕事をやってのけた。

 サビエル・バティスタは3日、本拠地で行われたロッテ戦に代打で途中出場すると、そのプロ初打席で右中間スタンドへ叩き込む豪快な逆転2ラン。プロ野球史上60人目の初打席初本塁打をマークし、ホームのファンからの大歓迎を受けた。

 ちなみに、外国籍選手の初打席弾は史上24人目のこと。初打席“代打”本塁打となると史上15人目の快挙であった。

 1打席で歴史に名を刻んだバティスタだが、圧巻だったのはその翌日の試合だ。この日も代打で登場すると、ファンからの高まる期待に応えるレフトスタンドへのダメ押し弾。2試合連続・2打席連続の本塁打を記録したのだ。

 プロ初打席からの2打席連続代打本塁打は、1984年の村上信一(阪急)以来で史上2人目。セ・リーグでは初めてという偉業を成し遂げ、一躍時の人となっている。


ド派手なデビューも、その後は苦労しがち…?


 プロの第一歩目が本塁打。これ以上ない幸先良いスタートであるが、実はそれ以降の歩みが厳しいものになる選手も多い。バティスタも含めて60人が達成している記録であるが、この中で名球会入りを果たしているのは“3人”だけなのだ。

 まずは1960年に史上4人目の初打席初本塁打を達成した高木守道。後に中日のレジェンドとなり、監督も務めた人物であるが、この人は代走でプロ初出場を果たし、その後回ってきた打席で本塁打を放っている。

 2人目は少し間隔が空いて、巨人の駒田徳広。高木の初打席弾から23年後の1983年にこの記録を達成した。

 何と言っても、駒田のプロ初打席弾はグランドスラムというオマケ付き。初打席満塁本塁打は史上初のことで、その後も1995年にミッチェル(ダイエー)が成し遂げたきり2人しか達成者がいない大記録となっている。

 そして最後、3人目は稲葉篤紀。プロ1年目の1995年、6月にデビュー戦で初打席初本塁打をマークすると、そのまま67試合に出場。規定打席には到達していないが、打率.307に出塁率.390という好成績を残した。


“3打席目”に注目!


 支配下登録から一軍登録、プロ初出場、そして初打席で初本塁打…。凄まじいスピードで階段を駆け上がったバティスタであるが、もちろんこれがキャリアのハイライトとなってしまっては困る。

 支配下登録の際には6年契約という異例の長期契約も発表されており、首脳陣も今後のチームを背負って立つ存在として期待を寄せているのだ。

 まずは大きな注目が集まる“3打席目”でバティスタがどんな打撃を見せるのか。今後のキャリアを占ううえでも、ひとつ重要な打席となるだろう。

 最高のスタートを切ったバティスタの今後から目が離せない。

【プロ初打席初本塁打】
金光彬夫(朝日) ☆代打
戸倉勝城(毎日)
塩瀬盛道(東映)
高木守道(中日)
ハドリ(南海)
後藤忠弘(近鉄)
相川 進(中日) ☆代打
スチュアート(大洋)
小室光男(西鉄) ☆代打
山村善則(太平洋) ☆代打
バチスタ(ロッテ)
ミッチェル(日本ハム)
中井康之(巨人) ☆代打
香川伸行(南海)
ハンプトン(近鉄)
駒田徳広(巨人)
森 厚三(広島)
阿部慶二(広島) ☆代打
村上信一(阪急) ☆代打
青島健太(ヤクルト) ☆代打
米村 明(中日)
デシンセイ(ヤクルト)
イースラー(日本ハム)
呂 明賜(巨人)
広永益隆(ダイエー) ☆代打
ディステファーノ(中日)
林 博康(ロッテ) ☆代打
佐伯秀喜(西武)
ブラッドリー(巨人)
森田幸一(中日)
シュルジー(オリックス)
マーシャル(日本ハム)
ミッチェル(ダイエー)
稲葉篤紀(ヤクルト)
出口雄大(巨人)
小野公誠(ヤクルト)
福留宏紀(オリックス)
ボーリック(ロッテ)
ポール(西武)
広池浩司(広島)
ナナリー(オリックス)
ショーゴー(中日)
塀内久雄(ロッテ)
野口祥順(ヤクルト)
オーティズ(オリックス)
比嘉寿光(広島) ☆代打
加治前竜一(巨人)
ブランコ(中日)
福田永将(中日) ☆代打
ランドルフ(横浜)
森田一成(阪神) ☆代打
マルハーン(西武)
ロペス(巨人)
加藤翔平(ロッテ)
西浦直亨(ヤクルト)
メヒア(西武)
乙坂 智(DeNA) ☆代打
ペレス(楽天)
広岡大志(ヤクルト)
バティスタ(広島) ☆代打

※所属・登録名は当時のもの


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