帰ってきたエース左腕
DeNAにエースが戻ってきた。
6月13日のロッテ戦、DeNAの先発マウンドには背番号「14」の姿。開幕投手を任されながら、4月22日の中日戦後に故障で戦列を離れた左腕・石田健大が復帰を果たした。
その日は5回・91球を投げて3安打、8奪三振で1失点。味方の援護に恵まれず黒星がついたが、雨が降りしきるなかでの力投に首脳陣もホッと胸を撫で下ろしたことだろう。
熱い想いを胸に
昨季は9勝(4敗)を挙げ、自身初となる規定投球回をクリア。今季はローテーションの柱として、大きな期待を受けたシーズンだった。
開幕から3戦で0勝2敗と苦しいスタートも、ようやく初勝利を手にした直後、今までに感じたことのなかった異変が左腕を襲う。
左肘の違和感によりすぐに登録抹消。2~3週間と見込まれた復帰時期が過ぎてもなかなか元気な姿を見せることができなかった左腕に対し、不安を募らせる声も多かった。
しかし、その裏には指揮官の「無理はさせたくない」という気持ちと、主将である筒香嘉智の「すべて万全な状態にしてから戻ってこい」という言葉があった。
単純にケガを治すだけではなく、精神面の調整を…。エースの穴は大きいが、心身ともに戦う姿勢を整えてからの合流をチームは求めた。それまでは、俺達がなんとかする。そんな熱い言葉・想いを胸に、石田は焦らずじっくりと調整を進めることができたのだった。
その言葉通り、チームはここまで65試合で31勝32敗2分の3位。伝統的に苦手としてきた交流戦も、最終戦1試合を残して勝率5割以上が確定している。
広島、阪神の上位2チームとは5.5ゲームの差が離れているが、エースが帰ってきた後半戦での巻き返しへ、チームは燃えている。リーグ戦再開後は、浮上のカギを握る石田健大に注目だ。