◆ 9人が防御率2点台にひしめく大混戦

 交流戦も全日程を終え、各チームが60試合と少しを消化したプロ野球。これから再開するリーグ戦を前に、セ・リーグでは防御率王争いが早くも激しさを増している。6月19日終了時点での防御率ベスト10は以下の通り。

【セ・防御率ベストテン】※6月19日終了時点
1位 2.10 田口麗斗(巨人)
2位 2.20 ブキャナン(ヤクルト)
3位 2.33 又吉克樹(中日)
4位 2.35 バルデス(中日)
5位 2.47 野村祐輔(広島)
6位 2.50 菅野智之(巨人)
7位 2.59 メッセンジャー(阪神)
8位 2.64 マイコラス(巨人)
9位 2.91 秋山拓巳(阪神)
10位 3.13 大瀬良大地(広島)

 ご覧のように、トップの巨人・田口から9位の阪神・秋山までが2点台。特に上位は2.10~2.50の間に6人がひしめく大混戦となっているのだ。

◆ さらなる混戦模様も…!?

 トップの巨人・田口は、チームのエースである菅野に負けじと2度の完封勝利をマーク。これまでは援護に恵まれずに白星がつかないケースも目立ったが、今季は5勝2敗としっかり貯金を作り、21歳にして菅野・マイコラスとともに先発3本柱を形成している。

 サプライズは3位につける中日・又吉だろう。プロ1年目から3シーズン連続で60試合以上に登板するなど、鉄腕リリーバーとしての印象が強い変則右腕だが、昨季終了後に自ら先発転向を志願。チーム事情もあって開幕当初はリリーフでスタートしたが、4月13日のヤクルト戦から先発に転向した。

 4月27日のヤクルト戦で先発としての初勝利を挙げると、6月6日のロッテ戦ではプロ初完封もマーク。ここまで4勝負けなしの好投でチームの先発陣を支えている。

 また、阪神はメッセンジャーと秋山の2名をトップ10に輩出しているものの、ベテランの能見篤史が規定に1足りない63回で防御率2.71をマークしており、次回登板後にはランキングに名前が挙がってくるものと思われる。

 ペナントレースはまだ折り返し地点も迎えていないところではあるが、大混戦のセ・リーグ防御率ランキングから目が離せない。

文=清家茂樹(せいけ・しげき)

【清家茂樹・プロフィール】 1975年、愛媛県生まれ。出版社勤務を経て2012年独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。野球好きが高じてニコニコ生放送『愛甲猛の激ヤバトーク 野良犬の穴』にも出演中。

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