◆ 打率は.280まで上昇
男はお立ち台の上で「こわいです」と言って笑った。
西武の炭谷銀仁朗が11日のロッテ戦で3打数3安打の固め打ち。それも3本すべてが打点付きの適時打で、1試合3打点は昨年5月25日以来という大当たりの一日だった。
気がつけば打率は.280まで上昇。規定打席には届いていないものの、キャリア最高の打率が2009年の.220(この時も規定には届かず)であることを考えれば、本人が恐怖を感じるのも不思議ではない。
【炭谷・リーグ戦再開後の打率推移】
6月23日(vs.ソ) .239 [4打数2安打]
6月25日(vs.ソ) .254 [4打数3安打]
6月28日(vs.ロ) .250 [2打数0安打]
6月30日(vs.オ) .247 [2打数0安打]
7月 2日(vs.オ) .248 [3打数1安打]
7月 3日(vs.日) .257 [3打数2安打]
7月 4日(vs.日) .256 [4打数1安打]
7月 6日(vs.日) .263 [4打数2安打]
7月 7日(vs.楽) .270 [3打数2安打]
7月 9日(vs.楽) .267 [2打数0安打]
7月11日(vs.ロ) .280 [3打数3安打]
◆ リーグ戦再開後に突然の覚醒
上述の通り、特に目覚ましい活躍を見せているのが6月23日のリーグ戦再開以降。この期間の成績を他のチームメイトと比較してみよう。
【西武・リーグ戦再開後の打率】
.471 炭谷銀仁朗 [34打数16安打、本塁打0、打点8]
.286 浅村栄斗 [63打数18安打、本塁打2、打点9]
.279 金子侑司 [37打数10安打、本塁打0、打点4]
.277 秋山翔吾 [65打数18安打、本塁打2、打点11]
.264 中村剛也 [53打数14安打、本塁打5、打点9]
.259 外崎修汰 [54打数14安打、本塁打2、打点6]
.233 栗山 巧 [43打数10安打、本塁打0、打点3]
.213 源田壮亮 [61打数13安打、本塁打1、打点4]
.146 メヒア [48打数7安打、本塁打3、打点6]
ご覧のように、ぶっちぎりの打率トップ。打席数は他の選手と比べて少ないとは言え、浅村や秋山に次ぐ16本の安打を放っている。
ちなみに、リーグ戦再開後のパ・リーグ打率トップ(規定=各チームの試合数×3.1で計算)はソフトバンクの柳田悠岐で.468。ここも規定には届かないが、炭谷は柳田をしのぐほどのハイアベレージを残しているのだ。
「(特に)打てそうな感じはしてないですけど、自分のタイミングで振れている」と好調の要因について語った炭谷。あいにく水を差すようにオールスターブレイクが挟まるため、ペナントが再開する7月17日以降の打撃に真価が問われることになる。
プロ入りから長らく打撃面で苦しんできた炭谷。“12年目の開眼”はホンモノか…。後半戦はレオの正捕手のバットに注目だ。