◆ クルーズは移籍当日にお立ち台
7月26日、楽天は巨人からルイス・クルーズを金銭トレードで獲得したことを発表した。
昼過ぎには楽天の練習着で入団会見を行い、即一軍登録。その日のソフトバンク戦に「6番・遊撃」で出場し、8回にダメ押しとなる適時打を放っていきなりお立ち台にも登った。
茂木栄五郎と藤田一也の二遊間を欠き、強力打線を牽引してきたペゲーロが離脱したチームを救う救世主へ。まずはホームのお客さんを前に挨拶代わりの活躍を見せた。
また、今季はクルーズの前にトレードで移籍した外国人選手がもう一人。黒羽根利規とのトレードでDeNAに移籍した日本ハムのエドウィン・エスコバーである。
昨季はダイヤモンドバックスで25試合に登板した左腕。25歳とまだ若いというところでも期待されたが、初登板・初先発となった4月2日の西武戦は5回もたず5失点。自責は1と不運な面もあったが、以降は中継ぎに回るも結果を残すことが出来ず。14試合の登板で1勝2敗、防御率5.64という成績だった。
しかし、DeNAに移籍すると4試合・6回1/3を投げて防御率0.00と安定。外国人枠の兼ね合いから登録抹消となったが、貴重な左腕として上位争いのキーマンとなるだろう。
◆ 近年は数も成功例も減少…
外国人選手のトレード移籍と言えば、1988年のシーズン途中に中日から近鉄に移ったラルフ・ブライアントの名前が思い浮かぶ。
独走する西武に食らいついていた近鉄だが、助っ人のリチャード・デービスに大麻の不法所持が発覚してまさかの退団。そこで白羽の矢を立てたのが、中日の二軍にいたブライアントだった。
三振の多さと枠の問題で表舞台が遠かったブライアントだが、近鉄に移籍して出番を得ると一気に開花。74試合の出場で打率.304、34本塁打の大暴れで驚異的な追い上げの原動力となった。
ただし、近年は外国人選手のトレードそのものが減少しており、活躍した選手というのも少ない。
前回の外国人選手が絡んだトレードというと、2012年6月に巨人とソフトバンク間で成立したもの。ソフトバンクが立岡宗一郎と久米勇紀の2名を放出し、ロメロと福元淳史を獲得した。
ロメロは前年こそ一時抑えとして起用されるなど41試合に登板。1勝3敗11セーブで防御率3.29という活躍を見せていたが、2012年は1試合のみと出番が激減。新天地に移った後も3試合で防御率10.13と結果を残せず。シーズン終了後に自由契約となった。
その前、2010年のオフには日本ハムが須永英輝と紺田敏正を巨人へ放出し、オビスポを獲得したという例も。
2007年に育成選手として巨人に入団すると、2009年には14試合の登板で6勝1敗と好投。その翌年は14試合で2勝3敗、防御率5.21と苦しんだところ、トレードでの移籍が決まった。
しかし、日本ハムでも2試合の登板のみで打ち込まれ、防御率は54.00。そのまま自由契約となった。
近年は苦しい例が多い外国人選手のトレード組だが、クルーズとエスコバーは新天地で契約延長を掴み取るような活躍ができるのか。ともに後半戦のキーマンとして注目だ。