源田
8月2日の楽天戦、則本の暴投で三走に続き二走源田(左)も生還=メットライフドーム

◆ 盗塁数はわずか2年でワーストからトップへ

 長く楽天とソフトバンクの2強が首位を争っていたパ・リーグの戦況が変わりつつある。その立役者は昨季まで3年連続でBクラスに沈んだ西武。変わったのはその攻撃だ。近年の西武打線といえば、強打者が並んでいる一方で三振も多く小技が利かない大味な印象があった。それが今季は様変わりしている。

 チーム本塁打はソフトバンクに次ぐリーグ2位と相変わらず多いが、昨季.193だった三振率(三振数÷打席数)は.187に減少。そして、何よりも大きく変化したのが盗塁だ。ここまでの86盗塁は2位ソフトバンクの60盗塁に大差をつける断トツの数字。広島の82盗塁をも上回る12球団トップである。

 ほんの2年前、2015年シーズンに西武が記録した盗塁数は66。リーグワーストの数字であった。それがわずかな期間で大きく変わった。昨季のシーズン盗塁数は97に激増しリーグ4位に上昇。53盗塁で盗塁王のタイトルを獲得した金子侑司の台頭が大きく影響した。

 しかし、今季はその金子がケガで約2カ月も出遅れたにもかかわらず、ルーキー・源田壮亮の活躍などもあってリーグ1位の盗塁を記録している。パ・リーグの盗塁ランキング上位には、1位・源田(28盗塁)、3位・外崎修汰(15盗塁)、5位・金子(13盗塁)、6位・秋山翔吾(12盗塁)と西武の選手がずらりと並ぶ。

◆ チームの士気やムードを高める盗塁

 8月3日の楽天戦では、初回に秋山の先頭打者本塁打で先制すると、四球で出塁した源田が早速二盗。浅村栄斗のヒットで三進した源田は捕逸によりあっさりと2点目のホームイン。結果的に源田の足で稼いだこの得点が決勝点となり、チームは完勝で26年ぶりの12連勝を果たした。

 今季から指揮を執る辻発彦監督は、現役時代には俊足で知られ、シーズン30盗塁を3度記録した。1987年の巨人との日本シリーズで見せた好走塁はいまや“伝説”とまで呼ばれる。その辻イズムが浸透したか、チームの走塁・盗塁意識が高まっているのは間違いない。

 シーズン序盤にもたついた西武だが、破竹の13連勝もあり、2位ソフトバンクに5.5ゲーム差と迫ってきた。鮮やかな盗塁はファンを沸かせ、ベンチのムードや士気を高めることにもなる。ひょっとしたら逆転優勝も……と思わせる西武の勢いには、様変わりした西武の攻撃、“足”が寄与している部分も大きいはずだ。西武の“足攻”が、試合展開はもちろんペナントレースすらかき回し始めている。
※数字は2017年8月10日終了時点

文=清家茂樹(せいけ・しげき)

【清家茂樹・プロフィール】
1975年、愛媛県生まれ。出版社勤務を経て2012年独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。野球好きが高じてニコニコ生放送『愛甲猛の激ヤバトーク 野良犬の穴』にも出演中

この記事を書いたのは

清家茂樹

清家茂樹 の記事をもっと見る

【PR】埼玉西武ライオンズを観戦するなら「DAZN Baseball」

DAZN BASEBALL

西口文也新監督の下、新たなチーム作りを進める西武。今井達也を軸とした投手陣の整備、外崎修汰の復活、助っ人外国人の活躍が上位進出へカギを握る!

「DAZN Baseball」とは、月額2,300円(税込)でDAZNのプロ野球コンテンツをすべて楽しめるプランです(月々払いの年間プランのみ)。

プロ野球だけを楽しみたい方は、月額4,200円(税込)のDAZN Standard​よりも1,900円お得に視聴できます。

POINT

ペナントシリーズ、交流戦、CSまで余さず堪能できる!

② オフシーズンもドキュメンタリーやバズリプレイなどコンテンツが充実!

毎月2,300円でライブ配信・見逃し配信・ハイライトまで視聴可能!

楽天モバイルなら追加料金ゼロで
パ・リーグが楽しめる!【PR】

楽天モバイル パ・リーグSpecial

楽天モバイルに申し込み「Rakuten最強プラン」を契約すると、公式戦やオリジナル番組を追加料金0円で楽しめます。携帯キャリアを乗り換えず、「デュアルSIM」としての契約もおすすめ。パ・リーグをお得に観戦できるチャンスをお見逃しなく。

POINT

① パ・リーグ主催の公式戦・オリジナル番組が見放題!

② 見逃し配信にも対応! スマホやTVなど好きなデバイスで視聴可能!

③ キャリア乗換不要。お得で手軽な「デュアルSIM」契約もオススメ!

もっと読む