プロ初完封で6勝目を挙げ、福良監督(左)に迎えられるオリックス・山岡=メットライフドーム(C)KYODO NEWS IMAGES

◆ プロ初完封で6勝目

 オリックスのルーキー・山岡泰輔が26日の西武戦でプロ初完封。9安打浴びながらも無四球10奪三振、140球の快投だった。

 今季の新人では両リーグ通じて初の完封勝利。チームの新人投手による完封勝利は2006年の平野佳寿以来で実に11年ぶりのことだ。さらに新人の無四球&2ケタ奪三振でのプロ初完封は、2013年の東浜巨(ソフトバンク)と2014年の石川歩(ロッテ)に次いで史上3人目の快挙だという。

 まさに記録づくめの初完封。ここまで好投しながらも勝ち星がなかなかついてこなかった右腕にとって、2連勝は5月28日・6月4日に記録して以来で約3カ月ぶり。今季の白星を6まで伸ばし、ルーキーイヤーの2ケタ勝利へ向けて望みを繋いでいる。

◆ 激化する新人王レース

 パ・リーグの新人王レースはというと、西武の源田壮亮が単騎独走状態だった。

 長らく穴だった遊撃のポジションを埋め、好守と繋ぐ打撃で2番に定着。ここまで114試合に出場して打率.263、3本塁打、45打点。三塁打は両リーグトップの8本をマークし、29盗塁はトップの西川遥輝(日本ハム)を2差で追う2位につけている。

 パ・リーグでは1998年の小関竜也(西武)を最後に野手の新人王が出ておらず、今季こそ久々の野手新人王誕生への期待が高まっているが、この2連勝で山岡が阻止する可能性というのも現実味を帯びてきた。

 新人王に基準のようなものはないものの、ひとつ大きな目安となるのが『2ケタ勝利』だろう。1999年以降に誕生した17名の投手新人王のうち、先発投手は12名。そのなかで2ケタ勝利を達成していないのは2人だけ。もちろんそれ以外の部分の貢献も評価に入っているが、『2ケタ勝利』の実績が選考の大きな追い風となったことは間違いない。

 ここまで6勝8敗と黒星が先行している山岡であるが、このままローテーション通りに中6日で投げていくことができれば、シーズン終了までに登板機会は6度もある。そのうち4つ勝つことができれば、2ケタ勝利に到達する。

 19年ぶりの野手新人王誕生か、またしても投手がそれを阻止するのか。ここからのパ・リーグは新人王争いにも注目だ。

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