熾烈なCS争い
いよいよラストスパートの時期に入りつつあるプロ野球の2017年シーズン。セ・リーグでは首位を快走する広島が優勝マジックを18まで減らし、連覇がすぐそこまで近づいてきた。
そんな中、2位以下の争いは熾烈。クライマックスシリーズへの2枚の切符をかけて阪神、DeNA、巨人の3チームによる戦いが繰り広げられている。
3位につけるDeNAは、前を行く阪神との差が「3.5」、振り返ると巨人との差も「3.5」。一時は虎のしっぽを掴んで2位に浮上したこともあったが、完全に追い越すまでは至らず、今度は巨人の猛追を受けつつも上位進出を伺っているという状況だ。
ここからはどの試合も重要になってくるのだが、中でも大きな意味を持つのが9月1日からはじまる巨人との直接対決3連戦だろう。8月唯一の直接対決だった東京ドームでの3連戦で3連敗。対巨人は7月29日から5連敗中と苦戦を強いられており、ここも同じようにやられるようでは一気に巨人に流れが傾いてくる。
「5ゲーム差をつける」。ライバルとの“大一番”を控え、チームを率いるアレックス・ラミレス監督はある数字をカギに挙げた。
「(3連敗を喫した)前回対戦も5ゲームの差があったから3連敗をしても2ゲーム差で済んだ」。直接対決を前に『5ゲーム』のリードを取ること。これを指揮官は強調した。
『5ゲーム』の意味
しかし、特別何かを変えることはしない。普段通りグラウンドに出てバットを振ったり、道具を使って体を動かしながらコミュニケーションをとる。
打線の中心はやはり主将で主砲の筒香嘉智だが、頼れる男もまだ25歳。レギュラーメンバーで30歳を超えているのはホセ・ロペスくらいで、今年のチームも若い。いつも通りの行動で選手に余計なプレッシャーを与えず、リラックスしてプレーさせるための環境を整えるのも指揮官の重要な役目だ。
「Aクラス争いも2位争いも接戦。若い選手が多い分プレッシャーも背負います。だからなんとしても5ゲームの差を保つことが重要」。経験豊富なチームと平常心で戦うために、指揮官はこの数字を目標に掲げる。
まずは9月1日からの直接対決を前にリードをどこまで広げることができるか。ラミレスDeNAの戦いに注目だ。