厳しい表情の高橋由伸監督(C)KYODO NEWS IMAGES

◆ 絶対に負けられない1週間

 逆転でのクライマックスシリーズ進出を目指す巨人。今季は球団ワースト記録を更新する13連敗を喫するなど、上位進出が絶望視されたこともあったが、やはりここぞの地力は上位。役者が揃うと徐々に順位を上げていき、今や3位・DeNAまで3.5ゲーム差とCS進出も射程圏内だ。

 長かったペナントレースも残すところあと1カ月ちょっと。いよいよ佳境に差し掛かる中、巨人にとって絶対に負けられない1週間がやってきた。

 8月29日からの6連戦は、前を走る広島・DeNAとの戦い。勝てば上位にプレッシャーをかけることができるが、負けが込むようではCS出場は一気に遠のく。まさに運命の6連戦なのだ。

◆ 落ち込む時間もない

 迎えた29日の初戦。巨人は2回に村田修一の一発で幸先よく先制に成功。先発・マイコラスも4回まで無四球1安打で6奪三振の快投を見せ、試合を優位に進めていた。

 ところが、4回裏一死一・三塁のチャンスでマイコラスがスクイズに失敗。陽岱鋼も内野ゴロに倒れて追加点のチャンスを逃すと、試合の流れが変わる。

 マイコラスが一死から岩本貴裕に四球を与えると、続く西川龍馬に速球をライトスタンドに叩き込まれ被弾。1-2と一振りで試合をひっくり返されてしまった。

 打線もチャンスを作りながらホームが遠い展開が続き、7回以降は広島の投手リレーを前に沈黙。相手よりも多い8安打を記録しながら、村田の一発で挙げた1点に抑えられて敗北。勝負の6連戦は黒星からのスタートとなった。

 1度先発の予定を飛ばしたエース・菅野智之の状態が気がかりな中、先発陣の柱の一人であるマイコラスで落としたこの一戦のダメージは間違いなく大きい。広島との対戦成績は5勝16敗となり、再びの借金生活へ。3位のDeNAが中日に敗れたため、ゲーム差が変わらなかったことが唯一の救いだった。

 DeNAとの直接対決を前に少しでも差を縮めておきたいところだが、そのためには“天敵”広島を倒さなければならない。ここが正念場、踏ん張りどころ。巨人打線の奮起は見られるか。残る5試合の戦いから目が離せない。

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