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苦境を乗り越え成長…スーパーエースの階段を登る菊池雄星

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リーグトップに並ぶ14勝目を挙げた菊池雄星(C)KYODO NEWS IMAGES

圧巻の完封劇


 レオのエースがマウンド上で躍動した。

 7日、メットライフドームで行われたロッテ戦に先発した菊池雄星は9回を121球で投げきり、4安打・10奪三振で完封勝利。リーグトップに並ぶ14勝目を両リーグトップとなる4度目の完封で飾った。

 8月は“反則投球”の問題に頭を悩ませた左腕。いわゆる『2段モーション』を指摘され、シーズンも佳境に入ったところでフォームの矯正を強いられたが、この日は周囲の不安を吹き飛ばすような快投を披露。辻発彦監督も「前回からフォームも固めて、非常に力みなくキレも良くなってきた」と手応えを語り、「2段モーションの問題も大丈夫でしょう。2試合こういうピッチングをしていますから」と太鼓判を押す。

 球団OBで菊池が師と仰ぐ石井一久氏も、自身のTwitterで「西武ライオンズの・・・菊池くん?今、12球団で1番の左ピッチャーだね」とトボけながらも絶賛。課題をクリアし、更なる成長を見せる後輩を讃えた。


10部門でリーグトップに!


 この完封勝利によって防御率と奪三振数でリーグトップに立ち、勝利数もトップに並んだ菊池。9月に入ってタイトル争いに注目が集まるが、タイトルとは関係ない部分でも優秀な成績が多い。数えてみると、計10部門でリーグトップの成績を残しているのだ。


<防御率>
2.17 菊池雄星(西武)
2.57 東浜 巨(ソフトバンク)

<先発登板数>
23 菊池雄星(西武)
23 金子千尋(オリックス)

<完投>
6 菊池雄星(西武)
6 則本昂大(楽天)

<完封>
4 菊池雄星(西武)
2 則本昂大(楽天)
2 多和田真三郎(西武)

<QS>
20 菊池雄星(西武)
16 岸 孝之(楽天)

<勝利>
14 菊池雄星(西武)
14 東浜 巨(ソフトバンク)

<投球回数>
165.2回 菊池雄星(西武)
155.1回 金子千尋(オリックス)

<奪三振数>
190 菊池雄星(西武)
182 則本昂大(楽天)

<被打率>
.184 菊池雄星(西武)
.212 岸 孝之(楽天)

<WHIP>
0.89 菊池雄星(西武)
1.00 岸 孝之(楽天)

 “菊池がどんな投手なのか”を成績を使って説明しようとすると、開幕からローテーションを守り(=先発登板)、確実に試合を作って(=QS数)イニングも消化(=イニング数、完投数)。それでいて打たれず(=被打率)、無駄な走者は出さず(=WHIP)に三振でアウトを稼ぎ(=奪三振)、得点を与えずに(=防御率、完封数)勝つ(=勝利数)投手。まさに完全無欠だ。


“西武史上最多勝”への期待


 あとは残る約1カ月のシーズンでどれだけ成績を伸ばせるか。とりわけ“勝利数”には注目が集まる。

【西武ライオンズ・シーズン勝利数ランキング】
1位 18勝 東尾 修(1983年)
1位 18勝 渡辺久信(1990年)
3位 17勝 西口文也(2005年)
3位 17勝 松坂大輔(2006年)
3位 17勝 涌井秀章(2007年)
6位 16勝 松沼博久(1979年)
6位 16勝 工藤公康(1991年)
8位 15勝 松沼雅之(1983年)
8位 15勝 郭 泰源(1991年)
8位 15勝 石井丈裕(1995年)

 上記は『西武ライオンズ』となってから(=1979年以降)の投手のシーズン勝利数ランキング。西鉄時代を含めるとプロ野球記録の42勝をマークした稲尾和久を筆頭にとんでもない数字が並ぶが、ここ40年ほどで見るとトップ10はかなり詰まっていることがわかる。

 現在14勝の菊池はあと1勝でトップ10入り。このあとローテーション通りに投げていくと仮定すると、あと4度の登板機会があることになる。すべて勝つことができれば、東尾と渡辺久の“西武史上最多記録”に到達するという計算だ。

 ちなみに、その間の相手は楽天、ロッテ、ソフトバンク、そして日本ハム。中にはプロ入りから12連敗中という“天敵”ソフトバンクも含まれており、タイトルや記録への挑戦はもちろんのこと、このあとのポストシーズンを見据えた上でも重要な4試合となる。

 苦境を乗り越えてひと回り大きくなった菊池雄星から目が離せない。



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