9月に大失速も、以前メジャートップの勝率を誇っているドジャース

◆ 最大5チームに勝率6割超えの可能性!?

 メジャーリーグも2017年シーズンも残すところあと1週間…。プレーオフに出場できるのは両リーグ合わせて10チーム(地区優勝チーム6:ワイルドカード4)だが、現時点でそのうち7つの枠が確定。残る3つの枠を巡り、9チームがラストスパートにかける。
 
 
 今季の特徴は、何と言っても「大きく勝ち越したチームが多い」ということ。ここまでで勝率6割を超えているチームがドジャース、ナショナルズ、インディアンス、アストロズと4チームも出ているのだ。
 
 なお、このうちドジャースとインディアンスはシーズン勝率6割超えが確定。ほかにもレッドソックスは残り7試合全勝で勝率6割を超えるので、最大5チームに勝率6割超えのチャンスが残っているということになる。
 
 
◆ 世界一への道のりは厳しく…
 
 ここ数年、戦力均衡化が進んだこともあって大きく勝ち越すチームは減少傾向だったメジャーリーグ。チーム数が現在の30に拡張された1998年から2005年と、2006年から2016年までの2つの期間に分けて比較してみると、その傾向は顕著だ。

 98年~05年は、8シーズンの間に延べ21チームが勝率6割超えを果たした。1シーズン平均にすると2.6チーム。それが06年以降の11シーズンで見ると、9チームにまで減少する。1シーズン平均にして0.8だ。
 
 
 やはり勝率6割を超えるような強豪チームは、そのまま世界一に輝く可能性も高いのだろうか…。上で比較した98年以降で見ると、意外な結果が出てきた。

 勝率6割超えを達成したチームのうち、勢いそのままに頂点に立ったのはヤンキース(98年・99年・09年)、エンゼルス(02年)、ホワイトソックス(05年)、カブス(16年)の計6度。同期間で勝率6割を超えていたのが30チームあったので、その確率は30分の6=20.0%ということになる。やはりシーズンで圧倒的な強さを見せていても、ワールドチャンピオンへの道のりはかんたんではない。

 ちなみに、最後に勝率6割超え同士の顔合わせだったワールドシリーズは1999年のヤンキース対ブレーブスまでさかのぼる。果たして、今季のポストシーズンは“強豪”が順当に勝ち上がる結果となるのか。何チームが勝率6割超えを果たすかとともに、注目が集まる。
 
 
文=八木遊(やぎ・ゆう)
 

【八木遊・プロフィール】 1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。 野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

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