ヤクルト
広島に敗れ、球団ワーストタイのシーズン94敗目を喫したヤクルト・真中監督(左端)ら=マツダ

◆ ヤクルトの球団史上ワーストタイ…

 ヤクルトは28日、マツダスタジアムで広島戦に敗戦(1-3)。これでヤクルトの連敗は7に伸び、シーズン通算94敗目となった。

シーズン「94敗」は国鉄時代の1950年以来の球団ワーストタイ記録。残り「3戦」の結果次第では、シーズンワースト記録を更新してしまう可能性も考えられる。ただし、1950年は138試合制での94敗。現状よりも5試合少ないため、勝率では辛うじて上回っている。

【ヤクルト(国鉄・サンケイ)ワースト敗戦数】
94敗(42勝2分)勝率.309(1950年)7位
94敗(44勝2分)勝率.319(2017年)6位※
92敗(33勝5分)勝率.264(1970年)6位
91敗(44勝5分)勝率.326(1965年)6位
84敗(60勝0分)勝率.417(2007年)6位
※2017年は9月28日終了時点

◆ 1970年は勝率2割台&古田監督時代にも…

 ワースト3位の「92敗」を喫した1970年は130試合制で92敗。勝率は球団ワーストの「.264」で、年間の勝利数はわずか「33」だった。このシーズンは球団史上ワーストの「16連敗」を記録し、監督も途中で交代。球団史に残る屈辱的なシーズンとなった。

 その他では、古田敦也兼任監督時代の2007年に「84敗」を喫したことがあった。シーズン途中の9月にはチームの成績不振を理由に古田兼任監督が「引退と退任」を発表している。

◆ パでも球団ワーストタイ記録

 一方のパ・リーグでも、最下位のロッテが球団史上ワーストの「85敗」を喫している。こちらも残り「7試合」の結果次第で不名誉な記録を更新することになる。

【ロッテ(毎日・東京)ワースト敗戦数】
85敗(64勝 1分)勝率.430(1963年)5位
85敗(50勝 1分)勝率.370(2017年)6位
79敗(54勝11分)勝率.406(2011年)6位
77敗(48勝 5分)勝率.384(1991年)6位
77敗(51勝 2分)勝率.398(1993年)5位
77敗(62勝 5分)勝率.446(2009年)5位

 ロッテは54年前(1963年)に85敗を記録したが、今季はその数字に並んでしまった。ちなみに当時は150試合だったため、勝率は今季の方が低い。

 球団ワーストの勝率は1983年の「.361」だが、残り7試合の結果次第では、ワースト記録の更新もあり得る状況だ。残り7試合を1勝6敗で終えると「.357」でワーストとなるが、2勝5敗で終えると「.364」。あと2勝すれば勝率のワースト記録は免れることができる。

◆ プロ野球記録は「103敗」

 ちなみにプロ野球史上のシーズン敗戦記録は、1961年に近鉄が記録した「103敗」。今季のヤクルトとロッテがこの記録を更新することはないが、すでにヤクルトはプロ野球史上ワースト10位タイに名を連ねてしまった。なんとしてでも今後の試合は勝利を重ねて、不名誉な記録の順位を上げないようにしたい。

 共に球団ワースト記録を打ち立てたヤクルトとロッテ。選手達は今後、意地を見せられるか。ファンと共に注目したい。

【シーズン最多敗戦ワースト10】
1位:103敗(36勝1分)勝率.261<61年・近鉄>
2位: 99敗(31勝0分)勝率.238<55年・大洋>
3位: 98敗(42勝1分)勝率.300<55年・トンボ>
3位: 98敗(52勝4分)勝率.351<56年・高橋>
5位: 97敗(29勝4分)勝率.238<58年・近鉄>
5位: 97敗(38勝1分)勝率.281<05年・楽天>
7位: 96敗(41勝1分)勝率.299<50年・広島>
7位: 96敗(32勝2分)勝率.250<54年・洋松>
9位: 95敗(48勝1分)勝率.336<10年・横浜>
10位:94敗(42勝2分)勝率.309<50年・国鉄>
10位:94敗(45勝1分)勝率.324<03年・横浜>
10位:94敗(48勝2分)勝率.338<08年・横浜>

文=栗栖章(くりす・あきら)

【栗栖章・プロフィール】
1993年2月生まれ。富山県出身。大学中退後ライターとなり、『野球太郎』『屋上野球』などの雑誌、ムック本、Webサイトなど様々な媒体で活動。戦前〜昭和の野球史、高校野球からプロ野球、野球コラムまで幅広く執筆。好きな球団はロッテ。2017年、文春野球フレッシュオールスターにてロッテを担当した。

この記事を書いたのは

齊藤亮太

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