横浜DeNAベイスターズの岡村信悟社長が16日、横浜スタジアムの増築・改修工事を前に、改修計画の詳細情報や今後のスケジュールなどを説明した。
◆ 6000席の増設と新たな仕掛け
今回の増築・改修工事では、2020年のシーズン開幕までに「6000席」が増設され、収容人員は現在の2万9000人から3万5000人となる見込み。右翼側と左翼側の増築に加え、バックネット裏には「個室観覧席」と「屋上テラス席」が設けられる。試合のない日には、「結婚式のパーティーや忘年会をやるようなことがあってもいい」(岡村社長)と、様々な使い方を歓迎した。

外観の一部は質感のあるレンガ調を基本とした設計になり、横浜の歴史ある景観との調和を目指す。スタジアムにはエレベーターを8基ほど増設し、バリアフリー化を推進。球場の外周を一周できる回遊デッキも新設し、公園との一体化を図りつつ、内外野間の回遊性向上を目指す。

回遊デッキのセンターバックスクリーン横には、バックスクリーン下にもある「ドリームゲート」を新設予定。回遊デッキを新設することで生まれる1階部分には、「飲食・物販スペース」を新設し、スタジアムを中心とした交流人口を増やすことで街に新たな賑わいを創出する。岡村社長は「街とつながる回廊として、スタジアム自体が公園のように親しんでもらえるような仕掛けをしていく」との思いを口にした。

◆ 2020年の開幕までに完了
2019年の開幕までに右翼席スタンドに「3800席」、バックネット裏に「600席」を増築。その後、「2700席」が増築される左翼席側を2019年のシーズンオフに着工し、東京五輪の野球・ソフトボール会場としても使用される2020年の開幕前までにすべての工事を終える予定だ。
新たに7100席が増える計算になるが、増築にあたり一部の座席が削減され、最終的には現状から6000席増になる見込み。11月25日に起工式が行われ、足掛け4年に及ぶ大事業がスタートする。

横浜市役所の移転や横浜文化体育館の再整備も決まっており、横浜スタジアム周辺に新たな動きが生まれるなか、岡村社長は「周辺施設の利用とシナジー効果を発揮しないと意味がない」と主張。その上で、「ベイスターズという誰も共有できる心のソフトインフラを中心により魅力的な生活だったり、人間の諸活動の場を作っていきたい。我々はこれから横浜スポーツタウン構想を進めることで、都市空間を創造するような球団というところまでチャレンジしていきたい」と意気込みを語った。