「あのときの悔しさがあったから今があると思うので、本当に諦めずに2年間努力して、あの瞬間は報われたなと思います」。
2年前のドラフト会議で涙をのんだ藤岡裕大(トヨタ自動車)は、10月に行われたドラフト会議でロッテからドラフト2位指名を受けた。
藤岡は強豪の亜細亜大で1年春からサードのレギュラーを掴み、大学通算の安打数は104を記録。大学日本代表にも選出されるなど、大学球界を代表する選手の一人だったが、プロ入りはできなかった。
2年後のドラフトでプロ入りするために、社会人のトヨタ自動車では「守備は大学のときより磨かないといけないと思ったので、こだわってやってきました」と守備に力を入れた。
ポジションも大学時代はサードを主戦場にしていたが、「サードではプロに絶対にいけないと思っていました」とショートを希望して入社した。
しかし、ショートのポジションには現在西武で活躍する源田壮亮がいたため、志願して外野に挑戦。社会人1年目はライトのポジションに入り、2年目の今年は源田がプロ入りしたため、ショートへコンバートとなった。
打撃でも1年目は都市対抗で打率.381を記録し、初優勝に大きく貢献。自身は若獅子賞を受賞した。2年目の今年は都市対抗の1回戦で、サヨナラ満塁本塁打を放つなど、攻守でアピールを続けた。
そして、今秋のドラフト会議でロッテから2位指名を受けた。「本当にホっとしたというのが率直な気持ちです。指名されないんじゃないかなと思っていたので、良かったなと思います」とドラフト指名の瞬間を振り返った。
井口資仁監督が新入団会見で「プロ野球に向けた目標は終わりましたので、一人ひとり明確な目標を持って頑張って欲しい」と話したように、本当の戦いはここから始まる…。
新入団会見で「新人王に輝いた源田先輩を超えること」という目標を立てた藤岡は、「肩の強さが持ち味だと思うので、それを活かした守備を1年目から発揮してアピールできればと思います」と意気込む。社会人でこだわった守備力で、平沢大河、三木亮といったライバルとの争いを制し、ショートのレギュラーを掴むつもりだ。