ソーシア監督,
17年は80勝82敗で負け越したエンゼルス。右はソーシア監督

◆ 今季は地区2位も2年連続の借金生活

 ロサンゼルス・エンゼルスは8日(日本時間9日)、ポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指していた日本ハム・大谷翔平の獲得と、背番号が「17」になると発表した。

 エンゼルスは公式HPで、「大谷翔平選手がエンゼルスに入団したことを光栄に思います。彼とはミーティングを通じ、とてもユニークなつながりを感じた」と声明文を発表。その後、球団職員がツイッター上で「OHTANI 17」のユニホームを作る動画を公開した。

 エンゼルスはアメリカン・リーグの西地区に属し、2002年に初の世界一を達成。07年からは地区3連覇を達成するなど西地区をリードしていたが、近年は戦力が整わず、今季は地区2位ながら80勝82敗と2年連続の借金生活。地区優勝からワールドシリーズ初制覇を果たしたアストロズに、21ゲーム差をつけられた。

◆ 投打ともに戦力不足、二刀流は最高の補強!?

 看板選手として14年、16年のリーグMVPであるマイク・トラウト、殿堂入り確実と言われているアルバート・プホルズが挙げられるが、来季38歳となる後者は、今季101打点をマークしたものの、打率.241、出塁率.286、長打率.386の成績。6月に史上9人目の600号本塁打を放ったが、今季のOPSは.672と衰えが顕著だ。

 9月にタイガースから獲得したジャスティン・アップトンは、トラウト(1.071)に次ぐOPS.901を記録。ただ、その他の野手は全体的に小粒で、今季OPS.800以上を記録したのはトラウトとアップトンの二人しかいない。

 投手陣は15年に、先発の2枚看板だったCJ・ウィルソンとジェレッド・ウィーバーが揃って退団。今季は規定投球回をクリアしたのはリッキー・ノラスコ(181回)の一人しかおらず、その内容は6勝15敗、防御率4.92。2ケタ勝利を挙げたJC・ラミレス(11勝10敗、防御率4.15)、パーカー・ブライドウェル(10勝3敗、防御率3.64)は実績が乏しく、先発陣は駒不足だ。

 ヤンキース、ドジャースなど、常勝チームも二刀流獲得を目指したが、大谷が選択したのは、日本ハム時代と同じ指名打者制のリーグで、投打ともに戦力が不足している再建途中の球団だった。現状のエンゼルスならば、少しずつメジャーの環境に慣れながら、日本ハムでやってきたことをスムーズに着手できそうだ。

 同地区には15、16年連覇のレンジャーズ、そして今季飛躍したアストロズなどが同居する。大谷がチーム再建の切り札として、マウンドではホセ・アルテューベやジョージ・スプリンガー、打席ではダラス・カイケル、ジャスティン・バーランダーらと凌ぎを削る――。その光景を見られるかと思うと、来季の開幕が今から待ち遠しい。

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