ドジャース・前田健太

◆ 苦しんだ2年目

 メジャー2年目でワールドシリーズを経験したロサンゼルス・ドジャースの前田健太。1年目の16勝11敗から2年目は13勝6敗、防御率は3.48から4.22に悪化し、投球回数が175回2/3から規定回数を割り込む134回1/3に激減した。

 レギュラーシーズンを通して、首脳陣からの信頼は薄く、ポストシーズンは先発ローテーションを外れた。しかしこれが幸いし、10月は救援投手として重要な役割を担い、チームに貢献した。来季は再び先発投手として首脳陣の信頼を回復したいところだ。

 2年目の今季は、ある程度好投していても、早めにマウンドを降りるケースが目立った。結果的に、クオリティスタート(QS、6回以上投げ、自責点3以下の試合)は1年目の14試合から5試合に激減。先発投手の目安といわれる100球に達した試合は4月と5月に1試合ずつあるだけだった。

 ただメジャー2年目を迎え、改善した部分もある。奪三振率は1年目の9.17から9.38へ、与四球率も2.56から2.28へそれぞれ若干だが良くなった。被打率は.229から.238にやや悪化。防御率は大きく悪化したが、その原因は被本塁打数の増加にあった。

 被本塁打率は1年目の1.02から1.47に悪化。イニング別の数字を見ると、試合序盤の3回までに22本中15本を打たれていた(1年目は20本中9本)。早い回に多く被弾されていては、首脳陣の信頼を勝ち取るのも難しかったといえるだろう。

 また、ホームとロードでの成績も大きく違った。投手有利と言われるホームのドジャースタジアムでは、8勝1敗、防御率2.88と素晴らしいが、敵地では5勝5敗、防御率5.62と、その差は歴然だ。来季は、厳しいアウェーの環境でも安定した投球を見せ、首脳陣にアピールしたい。

 思い返せば、1年目の春先は、デビューから4試合で3勝0敗、防御率0.36という圧倒的なパフォーマンスを披露し、ロサンゼルスのファンを魅了した。来季は再び先発投手として、圧巻の投球を見せてもらいたい。

▼ 前田健太
前田健太,
生年月日:1988年4月11日(29歳)
身長/体重:185センチ/79キロ
投打:右投右打
ポジション:投手
経歴:PL学園高-広島(06年・高D1)-ドジャース
[今季成績] 29試 13勝6敗1S 奪三振140 防御率4.22
[通算成績] 61試 29勝17敗 奪三振319 防御率3.80

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】 1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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