早くもコンバート構想
新年を迎えて早10日。長かったオフも終盤に差し掛かり、いよいよキャンプインも近づいてきた。
球春到来を前に、各球団では新入団選手たちによる合同自主トレが始まっている。なかでもドラフト会議で7球団が競合した清宮幸太郎を獲得した日本ハムは大きな注目を集めており、初日から生中継が行われ、異例のスピードでグッズが売り出されるなど、早くもフィーバーの予感が漂っている。
いよいよプロでの第一歩を踏み出した新人選手たち。まだスタートラインに立ったくらいの段階であるが、ここまでで気になるのが“三塁コンバート”案の多さだ。
ヤクルトの小川淳司新監督は、9日の新人合同自主トレでドラフト1位ルーキー・村上崇隆の三塁起用を明言。強打の捕手として鳴らしたスラッガーを、内野手として育成していくことを決めた。
ソフトバンクはドラフト3位で獲得した増田珠を三塁手として育てていくことを明言。高校時代は強打の外野手として鳴らした元気印であるが、プロでは“熱男2世”を目指していくことになる。
また、西武のドラフト2位・西川愛也もプロでは内野手登録になった。不動の「3番・左翼」として花咲徳栄高を甲子園優勝に導いた立役者であるが、元は内野手。抜群の身体能力と高い野球センスを評価している球団は、中村剛也の後釜候補として育てていく構想を抱いているようだ。
さらに清宮幸太郎も、「一塁だけでなく三塁も、いろいろな可能性を試す」という声が挙がるなど、高卒野手の三塁コンバート案が相次いでいる。
かつては“ホットコーナー”も…
ミスタープロ野球・長嶋茂雄を筆頭に、花形という印象が強い『三塁』。これまで多くのスター選手が務めてきたポジションであるが、2010年代も後半になった現在、徐々に世代交代の波が押し寄せてきている。
侍ジャパンで不動の三塁として活躍したソフトバンク・松田宣浩も、まだまだ元気とはいえ今年で35歳。西武の中村剛也も松田と同い年で、阪神は昨季36歳の鳥谷敬が138試合に出場した。20代の日本人で三塁を100試合以上守ったのは、DeNAの宮崎敏郎だけである。
中日の高橋周平や巨人の岡本和真など、大きな期待を受けながらも伸び悩む有望株の現状もあり、多くの球団で三塁の世代交代が課題に。そんな流れもあって、ルーキーたちに期待するチームが多くなっているのだ。
三塁と言えば、“ホットコーナー”とも称される重要なポジション。再び球界を代表する選手が集う“花形”のイメージを取り戻すことが出来るか。彼らの成長をたのしみにしたい。