長距離砲不在
ライト方向からホーム方向へ浜風が吹くこともあり、左打者の本塁打が出にくく、右打者も完全に追い風にならないため、本塁打が少ないスタジアムのひとつと呼ばれる甲子園球場。
甲子園を本拠地にする阪神の選手たちのシーズン本塁打数を見ても、最近10年でシーズン30本塁打以上を放った選手は、2010年に47本塁打を記録したブラゼルのみ。右打者はこの10年でシーズン30本塁打以上放った選手はおらず、2014年に26本塁打をマークしたゴメスが最高。昨季も右打者最多本塁打は中谷将大の20本だった。
【阪神の最近10年のチーム最多本塁打】
09年:金本知憲(21本)
10年:ブラゼル(47本)
11年:新井貴浩(17本)
12年:ブラゼル(12本)
13年:マートン(19本)
14年:ゴメス (26本)
15年:福留孝介(20本)
16年:ゴメス (22本)
17年:中谷将大(20本)
韓国で2年連続30発をクリアしたロサリオ
ここ数年、長打力に悩まされ続けている阪神だが、この問題を解決すべくウィリン・ロサリオを獲得した。
ロサリオは2011年にロッキーズでメジャーデビューを果たすと、12年に28本塁打、13年に21本塁打をマークするなど、メジャーでプレーした5年間で通算71本のアーチを描いた。16年からは韓国・ハンファでプレー。昨季3割打者が20人以上輩出するなど、“打高投低”と呼ばれるリーグではあるが、2年連続で『3割・30本塁打・100打点』をクリアは立派な成績だ。
長打を打てる選手が少ない中で、ロサリオの加入はかなり大きい。長打不足を解消するとともに、打線の軸としてチームを勝利に導く打撃が求められる。
日本人選手では中谷に注目
日本人選手では、昨季生え抜きの日本人右打者で浜中治氏以来、11年ぶりにシーズン20本塁打を記録した中谷に期待がかかる。
昨季は20本中15本で、変化球を本塁打にするなど滅法強い。一方、ストレートには差し込まれる場面も多く、打率.232、5本塁打と課題を抱える。ストレートを対応できるようになれば、昨季以上に本塁打を記録する可能性が高くなりそうだ。
ロサリオ、中谷といった長距離砲が、10年のブラゼル以来8年ぶりにシーズン30発をクリアできるか注目だ。