日本ハム・栗山英樹監督

◆ エース候補・有原が離脱

 日本一からのBクラス転落…。屈辱からの逆襲を目指す日本ハムに激震が走った。

 ローテーションの軸として期待されていた有原航平が右肩痛で離脱。アリゾナキャンプではノースローでの調整が続いていたが、無理せずに開幕ローテーションから外れることが決まった。

 昨季は自身初となる開幕投手の大役を務め、チーム唯一の規定投球回に到達。負け越しはしたものの、10勝(13敗)を挙げて2年連続の2ケタ勝利をクリアした。

 何と言ってもこのオフは大谷翔平がエンゼルスへ移籍。加えて代役候補筆頭の有原が離脱となっては、栗山英樹監督も頭が痛い。果たして、シーズン最初の一戦を誰に託すのか。誰をローテーションの軸に据えるのか。今から注目が集まる。

◆ かつての新人王、生まれ変わったエース候補

 まず候補に挙がるのが、2016年の新人王・高梨裕稔だろう。

 昨シーズンは22試合に登板して7勝7敗、防御率3.68とやや苦しんだが、それでもチーム2番目の勝ち星。オフシーズンには新球・パワーカーブに取り組んでいることが報じられるなど、悔しさを経ての進化に期待がかかる。

 また、ここ数年ケガに苦しめられた上沢直之も候補の一人だ。昨年7月に復帰勝利を挙げるなど、4勝をマーク。9敗と5つの負け越しは作ったものの、91回2/3を投げて防御率は3.44と力投を見せていた。

 今季から背番号が15に変わり、オフには一般女性と結婚。復活・変わり身に期待する材料が揃っているだけに、こちらも期待が大きい。

◆ “栗山マジック”は…?

 新外国人のニック・マルティネス、ブライアン・ロドリゲスらも候補には挙がるだろう。

 両投手ともにメジャー(マイナー)時代に先発経験はある。一般的に初対戦は投手の方が有利とされていることからも、オープン戦の状況次第ではあるが、開幕投手を任せることもありえるだろう。

 しかし、日本ハムでは過去に新外国人投手の開幕投手はなく、球界を見渡しても過去10年で不在。球団史上初の大抜擢はあるのだろうか。

 また、“大穴”候補としておもしろいのが、2年目左腕の堀瑞輝だ。

 高卒ながらルーキーイヤーにデビューを果たし、オフには稲葉篤紀監督の初采配となった「アジアCS」で日本代表に選出。この春に行われるオーストラリア代表との強化試合にも招集されるなど、チーム内外から大きな期待をかけられる逸材である。

 栗山監督といえば、就任一年目の2012年に当時プロ2年目だった斎藤佑樹を開幕投手に抜擢。その斎藤が完投勝利で見事期待に応えると、チームはそのまま勢いに乗って優勝を果たした。

 常識にとらわれない発想で見る者を驚かせてきた栗山監督だけに、こういったピンチの時こそ腕の見せどころ。開幕に向けてチームをどのように導いていくのか。指揮官の舵取りに注目が集まる。

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