◆ 注目のポジション争い
いよいよオープン戦も始まり、開幕へのカウントダウンが始まった。
実績のある中堅・ベテラン勢にとって、オープン戦というと“開幕へ向けての調整”の意味合いが大きいが、若手を中心にレギュラーが確約されていない選手は結果も求められる。そこで、今季のプロ野球で注目したいポジション争いを4つ厳選した。
◆ 西武の捕手争いは三つ巴の様相…?
まず、パ・リーグからは西武の正捕手争いに注目だ。炭谷銀仁朗(30歳)が森友哉(22歳)の挑戦を受けて立つ。
昨季もポジション争いが期待された2人。正捕手である炭谷に対し、若い森が打力を武器に挑むという構図であったが、結局は炭谷がチームトップの104試合に出場。森はケガの影響もあり、マスクを被ったのは僅かに12試合だった。
追われる立場の炭谷は自己最高の打率.251をマークした一方、台頭してきたのが28歳の岡田雅利だ。森が争いから離脱していた間にチャンスを掴み、65試合でマスクを被っている。一騎打ちから三つ巴へ…?徐々に様相が変わってきたレオの正捕手争いから目が離せない。
続いて、ロッテの正遊撃手争いは大混戦。井口資仁新監督の下、三木亮(26歳)や平沢大河(20歳)らがポジションを争う。
昨季の出場数でいうと、遊撃では三木が78試合でトップ。次いで20歳の平沢が48試合で続き、大嶺翔太が36試合。中村は三塁で69試合に出場しており、遊撃を守ったのは27試合となっている。
中村は本職である二塁へのコンバートが進んでいるが、昨季の出場数上位3名に加え、今年はドラフト2位で藤岡裕大が加入。キャンプから対外試合も含めて猛アピールを見せており、この4人を本線としたポジション争いはまだまだ続きそうだ。
◆ 梶谷もうかうかしていられない
次はセ・リーグからも熱いポジション争いを紹介したい。
阪神は外野の争いが熾烈。と言っても、レフトとライトのレギュラーは福留孝介と糸井嘉男で確定しており、残るセンターの座をかけて4人が争う展開となっている。
有力は昨季20本塁打を放った右の大砲候補・中谷将大(25歳)だが、2016年の新人王・高山俊(24歳)も巻き返しを期すシーズン。さらに規定には届かずも打率3割を記録した俊介(30歳)も捨てがたい。また、ここに来てドラフト4位ルーキーの島田海吏も絶好調。金本知憲監督にとっては嬉しい悩みとなりそうだ。
福留と糸井が左打者ということもあり、バランスを考えると右打ちの中谷が現時点では一歩リードか。やはり長打力というのは大きな魅力で、フル出場できれば30本超えの可能性も。虎ファン待望の和製大砲候補だけに、かかる期待も大きい。
最後に、DeNAのライトをめぐるバトルにも注目だ。
梶谷隆幸(29歳)は昨季まで4年連続で規定打席に到達しており、今季もレギュラーを確約されてもおかしくない実績を持つ。昨季も21本塁打・21盗塁を記録したが、打率.243で三振はリーグ最多と粗さも目立った。
そこで、注目を集めているのが19歳の細川成也である。昨季は高卒1年目ながらシーズン終盤に衝撃的なデビューを飾り、日本シリーズも経験。筒香に続く和製大砲として期待も大きい。ラミレス監督もその素材を高く評価しており、キャンプ前に公表した開幕スタメン構想もライトの部分に関しては「梶谷or細川」としているほどだ。
約1カ月間のサバイバル。開幕スタメンの座を勝ち取るのは一体誰か、今からたのしみだ。
文=八木遊(やぎ・ゆう)