1年目から奮闘する牧田和久(左)と平野佳寿(右)

◆ 躍動する“メジャー1年生”

 日本から海を渡った“二刀流”がメジャーを席巻している2018年。大谷翔平の活躍は連日メディアを賑わせ、当初は懐疑的な見方も多かったアメリカの野球ファンの手のひらを返し続けている。

 やはり日本でも、今年のメジャーリーグの目玉は大谷だ。野球界における常識を覆す結果を残してきた日本の至宝が、最高峰の舞台でどんな姿を見せてくれるのか。野球ファンは誰もが注目し、期待を胸に男の動向をチェックしている。

 しかし、忘れてはならないのが、昨オフに海を渡った男は大谷だけではないということ。そしてその男たちがしっかりとチームに溶け込み、自らのポジションを築き始めていることだ。

◆ リリーフの一角へ

 オリックスからFA権を行使し、ダイヤモンドバックスへ移籍したのが平野佳寿。34歳の経験豊富な右腕は、ここまでチームが消化した15試合のうち8試合で登板。これはアーチー・ブラッドリーに次ぐチーム2位タイの数字だ。

 主に勝ち試合の7回か8回を任され、7回1/3を投げて1勝0敗。防御率2.45という上々の成績を残している。もちろん、このままのペースで投げつづけるというのは現実的ではないが、単純計算でシーズン86試合に登板するペース。首脳陣からの信頼度の高さが現れている。

 そしてもう一人、西武からポスティングでパドレスに移籍したのが牧田和久。メジャーでは珍しいアンダーハンドから放たれる遅球を武器に、ここまで6試合に登板。5回1/3を投げて防御率1.80と、こちらも好投を続けている。

 ともにメジャー1年生ながら、早くもチームに欠かせない存在感を見せている2人。過去にもリリーフとして活躍した日本人投手は多くいるが、今回はリリーフ投手の最大の評価ポイントと言われる“登板数”に注目して、彼らのメジャー1年目の活躍を振り返ってみよう。
 

◆ 1年目の最多登板は大塚の73試合

【日本人投手・メジャー1年目の登板数】
1位 73試合 大塚晶則(パドレス/2004年)
2位 72試合 斎藤 隆(ドジャース/2006年)
3位 66試合 岡島秀樹(レッドソックス/2007年)
4位 63試合 佐々木主浩(マリナーズ/2000年)
5位 59試合 高津臣吾(ホワイトソックス/2004年)
6位 57試合 小林雅英(インディアンス/2008年)
7位 53試合 高橋尚成(メッツ/2010年)
8位 50試合 長谷川滋利(エンゼルス/1997年)
9位 49試合 木田優夫(タイガース/1999年)
10位 40試合 藪 恵壹(アスレチックス/2005年)

 登板数を見ると、2004年の大塚晶則が73試合に登板。これがメジャー日本人投手1年目の最多記録である。登板数もさることながら34ホールドを記録するなど、1年目から緊迫した場面での登板も多く、首脳陣の信頼も厚い投手だった。

 その大塚に続くのは斎藤隆だ。2006年にドジャースへ移籍すると、シーズン中にセットアッパーからクローザーに昇格。チーム最多となる72試合に登板し、ポストシーズン出場に大きく貢献した。2007年に松坂大輔(現・中日)とともにレッドソックスへ加入した岡島秀樹も、1年目から66試合に登板してワールドチャンピオンに貢献している。

 上記3名に加え、“大魔神”こと佐々木主浩や高津臣吾、小林雅英、高橋尚成、長谷川滋利と、8名もの投手が1年目から50試合以上に登板。中継ぎの柱に近い形で起用されていた。

 現時点での起用を見ると、平野も牧田も50試合以上に登板することは濃厚。平野は上記でペースの計算をした通り、大塚の73試合を超える可能性も大いにある。

 扱いは影に隠れがちだが、1年目から奮闘している平野と牧田の活躍から今後も目が離せない。

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ベースボールキング編集部

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