新加入の左腕2枚が抜群の安定感
いよいよ「日本生命セ・パ交流戦2018」が開幕する。今年も1カード3試合制の全18試合。予定通り消化すれば6連戦が3週間続く。
注目したのはオリックス。スタートダッシュに失敗し、今季ここまで23勝24敗1分けのパ・リーグ4位だが、5月は27日の時点で13勝9敗。すでに月間勝ち越しを決めている。際立つのは投手力だ。チーム防御率は日本ハム(3.56)に次ぐリーグ2位(3.58)。このところは接戦もしぶとくモノにしている。
先発陣で光るのは、新加入の左腕2枚。新外国人のアルバースは、8試合に投げ6勝1敗、防御率2.13をマーク。ドラフト1位の田嶋大樹も、8試合に先発し5勝2敗、防御率3.09と安定している。チームトップの9試合に先発しているのは、西勇輝と山岡泰輔。西は2勝5敗、防御率3.06。山岡は2勝6敗、防御率3.78の成績。両右腕とも黒星が先行しているが、3点台の防御率が示す通り、ローテーション投手としての役割は果たしている。
金子千尋は7試合に投げ、1勝4敗、防御率3.99の成績。直近は3試合ともクオリティ・スタート(6回以上、自責点3以内)をマークし、前回5月23日の楽天戦で待望の今季初勝利をゲットした。
もうひとり、開幕ローテでスタートしたディクソンは、0勝4敗、防御率5.22の成績で二軍降格。それでも、二軍戦では3試合(計23イニング)に投げ、防御率1.17をマーク。また、右肘痛からの復活を目指す東明大貴も、二軍で3試合(計17イニング)に登板し、防御率0.56と好調。こちらも一軍復帰をアピールしている。
打線次第では2010年以来の最高勝率も!?
日程が密なる交流戦だからこそ、良質な先発陣は大きな武器となる。事実、オリックスは今季のゴールデンウイークに、ソフトバンク、西武、ソフトバンクの計9連戦を、6勝3敗と勝ち越した。さらに、先週の楽天、ロッテ戦と続いた6連戦も、4勝2敗と勝ち越し。再び連戦での強さを見せ、よい流れで交流戦に入る。
抑えの増井浩俊、セットアッパーに定着した山本由伸に加え、吉田一将、黒木優太、近藤大亮、沢田圭佑ら、リリーフ陣も層が厚い。指名打者出制ではないセ・リーグ主催ゲームで、仮に先発投手に早めの代打を送るような状況になっても、先発経験の豊富な吉田一などは、ロングリリーフとしても計算が立つ。
不安は、チーム打率リーグ5位(.230)の打線。1試合平均得点は3.56と寂しい。主に3番を打つ吉田正尚が調子を上げてきたが、その前の1、2番は日替わり状態。ロメロ、マレーロの助っ人コンビも不調で、マレーロは現在二軍調整中だ。
それでも、最近は宮崎祐樹が1番に定着しており、非凡な長打力とハッスルプレーで起爆剤になっている。また、交流戦初制覇を成し遂げた2010年のMVP、T-岡田の爆発にも期待したいところだ。
投手陣が安定しているだけに、攻撃陣次第では2010年以来、2度目の最高勝率も可能なオリックス。まずは今夜の敵地での中日戦、5月に入り火曜日4戦全勝の勝ち頭・アルバースが先陣を切る。