地区首位に立ったナショナルズ

◆ ナショナルズが巻き返し

 これまで6年連続の勝ち越し、過去6年で4度もの地区優勝を誇る強豪ナショナルズ。ところが今季は開幕から4連勝を記録するも、その後は負けが込み、一時は借金5を背負って4位に沈んだ。

 一気に不安が広がったが、それでも4月下旬以降は軌道修正に成功。30日のオリオールズ戦で勝利を収めると、現地4月3日以来となる約2か月ぶりの地区首位に躍り出る。

 メジャー屈指のスラッガーであるブライス・ハーパーや、現地30日の試合で通算150勝を達成したマックス・シャーザーといったスーパースターを抱えるナショナルズ。地区ライバルのブレーブスやメッツ、そしてフィリーズに比べるとナショナルズの総合力は頭一つ抜けており、やはりナ・リーグ東地区の大本命と言っていいだろう。

 一方でナ・リーグの他地区を見てみると、開幕前の下馬評は決して高くなかったチームの躍進が目立つ。中地区では、ブリュワーズがナ・リーグで唯一の勝率6割超え。西地区はロッキーズが2位のダイヤモンドバックスに1.5ゲーム差をつけ、それぞれ首位に立っている。

◆ ナ・リーグ地区首位チームの共通点とは…?

 ブリュワーズの強みは投手力。絶対的なエースは不在で、先発陣は安定感に欠けるが、救援陣の活躍が目覚ましい。

 救援防御率2.45は堂々メジャートップの数字だ。特に左腕ジョシュ・ヘーダーは驚異の奪三振率18.00(33イニングで66三振)を誇り、一時はシーズン200奪三振ペースに近づき日本でも話題になった。打撃陣では、ともに今季新加入のロレンゾ・ケーンとクリスチャン・イエリチが1・2番に固定され、高い出塁率でチームに貢献している。

 ロッキーズは、例年は苦手としているロードゲームで19勝13敗と勝ち越しているのが大きい。打撃陣は、おなじみノーラン・アレナドとチャーリー・ブラックモンが中心。守備も堅く、チームの失策数はナ・リーグ最少の18個。また、ロイヤルズ時代の2015年ワールドシリーズで胴上げ投手になった守護神ウェード・デービスの存在も大きい。

 ナショナルズにブリュワーズ、そしてロッキーズ。現在ナ・リーグで地区首位に立つ3チームには、共通点がある。いずれも「ワールドシリーズ制覇を経験していない」ということだ。

 ナ・リーグに所属する15チームのうち、世界一未経験なのは他にパドレスだけ。思い起こせば昨季はアストロズがチーム史上初の世界一に輝いたが、今季はアストロズに続いて初めての世界一に輝くチームは生まれるだろうか。特にナ・リーグ各地区首位を走るチームの今後の戦いぶりに要注目だ。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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