◆ 5年連続タイトルへ視界良好
楽天の則本昂大が今季も奪三振ショーを繰り広げている。
低調なチーム状況もあって4勝7敗と負け越してはいるものの、ここまで12試合・88回2/3を投げて奪った三振はちょうど100個。両リーグで唯一3ケタに乗せ、最多奪三振のタイトルに向けて快走している。
則本と言えば、プロ2年目の2014年から昨季まで4年連続で最多奪三振のタイトルを獲得している“奪三振マシーン”。それも毎年奪三振の数を増やしており、昨季はプロ野球新記録となる8試合連続2ケタ奪三振という偉業を成し遂げるなど、キャリア最多を更新する222奪三振を記録。その進化はとどまるところを知らない。
【則本昂大・4年連続最多奪三振】
2014年:204奪三振(2位:金子千尋/オリックス・199個)
2015年:215奪三振(2位:大谷翔平/日本ハム・196個)
2016年:216奪三振(2位:千賀滉大/ソフトバンク・181個)
2017年:222奪三振(2位:菊池雄星/西武・217個)
◆ 大投手たちへの挑戦
もし今年もタイトル獲得となれば、記録は1年伸びて「5年連続」に。これはプロ野球史上3人目で、歴代単独3位にあたる記録になる。となれば、1位が気になるところだろう。
【最多奪三振の連続記録】
1位 6年連続 江夏 豊(阪神/1967~1972)
1位 6年連続 鈴木啓示(近鉄/1967~1972)
3位 4年連続 野茂英雄(近鉄/1990~1993)
3位 4年連続 則本昂大(楽天/2014~2017)
トップは「6年連続」で2名。伝説の大投手である江夏豊と鈴木啓示が、奇しくも同じ期間に達成した。
それも江夏はルーキーイヤーからの記録。1年目にいきなり225奪三振を記録すると、2年目にはシーズン401奪三振という不滅の大記録を樹立。4年目にも340奪三振を記録するなど、プロ入りから6年で1728もの三振を積み上げている。
鈴木はプロ2年目から6年連続のタイトル奪取。プロ3年目の1968年には305奪三振を記録するなど、20年のキャリアでプロ野球歴代4位となる通算3061奪三振をマークした。
日米で伝説を残した野茂英雄も含め、大投手に囲まれて大記録に挑んでいる則本。この記録をどこまで伸ばすことができるか。そして、最終的にどんな成績を残してユニフォームを脱ぐのか。チームは監督の解任など苦しい状況が続いているが、その中で奮闘するエースの投球から目が離せない。