◆ 2年連続首位打者への挑戦
昨年あと一歩届かなかった日本一へ向けて、大きな期待を背にスタートしたラミレスDeNAの2018年。開幕前から相次ぐ故障者に悩まされ、思い描いていた戦いがなかなかできずに苦しんできたが、ここまで79試合を消化して36勝41敗2分のリーグ4位。大混戦のリーグのなかでどうにか踏みとどまり、後半一気の逆転を虎視眈々と狙う。
そんなチームの中で、指揮官から“前半戦のMVP”に選ばれたのが宮崎敏郎である。昨季のリーグ首位打者は今季も現在リーグ5位の打率.315を記録しており、本塁打は昨年記録したキャリアハイの15本を早くも上回る16本をマーク。先日のオールスターゲーム第1戦でもパ・リーグの先発を務めた菊池雄星(西武)からレフトスタンド上段に運ぶ特大の一発を放つなど、さらなる進化を見せつけている。
セ・リーグの打撃成績を見てみると、平田良介(中日)が打率.331でトップを走り、すぐ後ろを.330の丸佳浩(広島)が追走中。坂本勇人(巨人/.328)と坂口智隆(ヤクルト/.324)に宮崎が続く形となっており、トップ3がずば抜けているパ・リーグと比べれば混戦模様。宮崎にもまだまだチャンスはあると言えるだろう。
ちなみに、2年連続の首位打者となれば、チームで見てもリーグで見ても1997年~1998年の鈴木尚典(※当時は横浜)以来で20年ぶりという快挙。当時のチームを振り返ると1997年が2位で、1998年に悲願の優勝を成し遂げているだけに、その再現への期待もかかる、
◆ 復活待たれるクリーンナップトリオ
また、故障もあって最近はラインナップに揃うことがなくなっているものの、今季のDeNAの主軸3人は凄まじい成績を残しているのでそれもご紹介しよう。
【DeNA・クリーンナップトリオ】
ロペス 49試 率.326(190-62) 本16 点42
筒香嘉智 76試 率.300(267-80) 本19 点50
宮崎敏郎 79試 率.315(302-95) 本16 点42
なんと全員が打率3割を超えており、前半戦の段階で本塁打も15本超え。特にロペスは50試合にも満たない出場ながら上述の成績となっており、一流打者の証のひとつである「3割・30本・100打点」というラインを全員がクリアしそうな勢いだ。
ちなみに、クリーンナップトリオが揃って「3割・30本・100打点」をクリアしたのは、過去を振り返ってみても1985年の阪神のみ。ランディ・バース、掛布雅之、岡田彰布という伝説のクリーンナップで、その年の阪神はリーグ優勝・日本一に輝いている。
まず待たれるのは、万全の状態で3人が揃うこと。特にロペスは前回復帰直後にケガが再発して再離脱となってしまっただけに、首脳陣も慎重に様子を見極めている状況。焦りは禁物とはいえ、1日でも早く戻ってきてほしいというのがチームに関わる人々の総意だろう。
“レジェンド級”の力を持つクリーンナップの破壊力で逆襲を…。巻き返しのカギを握るDeNAの主軸から目が離せない。