新守護神が圧巻のパフォーマンス
プロ野球・2018年シーズンも開幕から5カ月が経とうとしているところ。パ・リーグは開幕8連勝のロケットスタートを切った西武が、その後1度も首位の座を明け渡すことなく先頭をひた走っている。
8月24日からのソフトバンクとの3連戦では3連敗を喫し、ゲーム差「5」まで迫られてしまったものの、28日の楽天戦は終盤7回に相手エース・則本昂大を攻めての逆転勝ち。ソフトバンクがロッテに敗れたため、その差は「6」に広がった。
序盤は圧倒的な破壊力を誇る打線がクローズアップされた今季の西武。しかし、後半戦のチームを支えているのは“新戦力”の活躍だ。なかでもシーズン途中加入からストッパーに定着したデュアンテ・ヒースの貢献度は凄まじい。
かつて広島でプレーし、今季はBCリーグ・富山でプレーしていた右腕。5月に西武と契約を結び、5月15日に支配下登録を受けると、20日には早くも一軍登板。その試合では1回1失点だったが、以降は無失点投球を増やして徐々に信頼を掴んでいく。
すると、8月3日の日本ハム戦で今季初セーブをマーク。以降は抑えを任され、ここまで30試合の登板で3勝負けなしの7セーブ、防御率1.57という好成績を残している。
チームにはここ2年連続で28セーブを挙げていた増田達至がいたものの、今季は打ち込まれるシーンも目立ち、7月の頭に二軍落ち。トミー・ジョン手術からの復活に期待がかかったかつての守護神・高橋朋己も肩の故障で早々に離脱を強いられており、最後を締める投手が不在になってしまった。
そんな中、独立リーグから緊急補強した助っ人がその穴を埋める大活躍。特にこの8月は12試合の登板で7セーブを記録し、12回・打者44人との対戦で奪った三振は驚異の21。被安打はわずかに5本で、被打率は.122。防御率0.00と圧巻のパフォーマンスでチームを支えているのだ。
積極補強が奏功
そして、“当たり”はヒースだけではない。
今季は例年以上にシーズン中の補強に動いた西武。その中で期限ギリギリの7月31日に支配下登録されたカイル・マーティンは、ここまで9試合に登板して1勝0敗6ホールド、防御率0.93と好投を披露。守護神・ヒースに繋ぐ役割として申し分ない働きを見せている。
さらに7月に中日からトレードで獲得した小川龍也も、ここまで4試合に登板して1ホールド、防御率0.00。28日の楽天戦では、2-5と逆転を許してなおも一死満塁、打席に島内宏明を迎えるというところで登板。押せ押せムードの相手に飲み込まれることなく、島内を遊ゴロ併殺に斬って仕事を果たすと、その後チームが逆転勝ち。勝ち星こそつかなかったものの、流れを呼び込む好リリーフが評価されて移籍後初のお立ち台にも登った。
課題とされたリリーフ陣の部分で、シーズン途中に獲得した新戦力が躍動。「優勝するための補強」がピタリと的中し、悲願に向けてチームを前進させている。
リーグ最多21度の優勝を誇る西武は、2008年以来の栄冠を掴むことができるか。先頭を走り続ける若獅子軍団から目が離せない。