◆ 「300-300」への期待
通算3度目のトリプルスリー達成に向けて快走するヤクルトの山田哲人。昨季のスランプから完全に脱却した26歳は、今季ここまで打率.316・本塁打30・盗塁29を記録。アクシデントさえなければ、2年ぶりの快挙はほぼ確実だろう。
そもそもトリプルスリーを複数回達成した選手も、長いプロ野球の歴史のなかで山田だけ。それをこの4年で3度も達成しようとしているのだから末恐ろしい。上述した通りまだ26歳。そんな山田に期待がかかるのが、プロ野球史上3人目の「300本塁打・300盗塁」だ。
メジャーリーグでは「300-300クラブ」というグループも存在しており、これまで8人しかメンバーがいないという偉業。日本では張本勲氏と秋山幸二氏の2人しか達成していない。
【通算300本塁打・300盗塁】
▼ NPB
張本 勲(504本・319盗)
秋山幸二(437本・303盗)
▼ MLB
ウィリー・メイズ(660本・338盗)
ボビー・ボンズ(332本・461盗)
アンドレ・ドーソン(438本・314盗)
バリー・ボンズ(762本・514盗)
レジー・サンダース(305本・304盗)
スティーブ・フィンリー(304本・320盗)
アレックス・ロドリゲス(696本・329盗)
カルロス・ベルトラン(435本・312盗)
◆ “通算トリプルスリー”なら史上2人目
まだまだ気は早いが、次から次へと大記録への期待がかかる山田哲人。ここまでの通算の成績は以下のようになっている。
▼ 山田哲人・通算成績
792試 率.301(2965-892) 本163 盗131
※8月29日終了時点
プロ8年目・26歳にして300本塁打まではあと137本。300盗塁も169盗塁というところまで来た。シーズン30本塁打をあと5年、シーズン30盗塁をあと6年続ければ「300-300」の偉業に手が届く。かんたんではないとはいえ、これまでの実績と山田の実力を考えれば全く不可能な数字ではない。
また、「Mr.トリプルスリー」として期待がかかるのが、通算成績でのトリプルスリー「打率3割・300本・300盗塁」という高いハードルだ。上述の通り、NPBでは「300-300」ですら史上2人しか達成者がおらず、“通算トリプルスリー”を達成したのは張本勲氏ただ一人だけである。
まずは自身3度目となるトリプルスリーを達成すること。これが今季の大きな注目ポイントになってくる。そして、これを毎年繰り返した先に待つ偉業。NPB史上最強の“打って走れる”選手へ…。山田哲人にかかる期待は大きい。