◆ バレンティンキラーとして活躍
DeNAの加賀繁投手は14日、横浜市内で記者会見を開き、今季限りでの引退を改めて発表した。
埼玉平成高から上武大、社会人・住友金属鹿島を経て、2009年のドラフト2位で横浜に入団。変則的なサイドスローで1年目から即戦力としてローテーションに入ると、規定投球回をクリアする145回に投げて防御率3.66と奮闘。ところが、勝敗の方は3勝12敗と、奮闘ぶりと並んで援護運のなさでも注目を集めた。
2012年にはリリーフとして61試合に登板。26ホールドを挙げて防御率2.86をマークするなど、そこからはブルペンを支える存在に。求められたところで結果を残し、チームを支えてきた。
また、加賀といえば、ヤクルトの主砲ウラディミール・バレンティンにめっぽう強かったことでも知られる投手。2017年5月に初安打を許すまで、実に23打席無安打と完璧に封じ込んでいた。
本人もその意識は強く、会見で現役時代の思い出について聞かれた加賀は、「プロ初勝利」に続いて「バレンティン」の名前を挙げている。以下、引退会見の一問一答。
◆ 少しホッとしたような気持ち
―― 今の気持ち
少しホッとしたような気持ちです。
恩師やお世話になった方々に連絡して、
いろいろな話をしていったなかで、
また自分の力と周りを見たときに
このタイミングが引き際なのかなと思った。
―― 特に相談した人
(母校である)上武大の谷口(英規)監督。
「自分の中では少しやりたい気持ちもあるんですが…」と言ったところ、
『9年間プロ野球選手ができて幸せだったか?』と聞かれ、
まさか自分がプロになれるとは思っていなかったので、
「この9年間に悔いはありません」と返したところ、
『だったらそれが引き際じゃないか』
と言っていただけて。背中を押されました。
◆ 思い出のひとつに「バレンティン」
―― 現役時代の思い出のシーン
自分の中で一番というのは難しいですが、
やっぱり1年目の初勝利であったり、
ヤクルトのバレンティンと長い間対戦できたこと。
良い思い出でもあり、苦しい思い出でもあります。
―― バレンティンとの対戦について
やっぱりパワーがあって、大きいのが打てる選手なので、
そういった打者をどうやって抑えていくのか。
プロではこれを常に考えてやってきた。
初安打を打たれ、初本塁打を打たれ、
やっぱり今まで抑えていた分、悔しさも大きかった。
抑えられなくなったことで引き際を教えられたのかなと
今になると少し思うところも。
―― 今後について
ここまで野球で生きてきたので、
この経験を教える立場であったり、
一緒にやる立場として携われたらなと思っています。
―― チームへメッセージ
クライマックスシリーズ争いで体も心もきつい時期だと思う。
ただ、みんなが味わえる経験ではないので、
なんとかCSに出て、勝って、日本シリーズ優勝をしてもらいたい。
とにかく頑張ってほしいです。