バレンティンキラーとして活躍
DeNAの加賀繁投手は14日、横浜市内で記者会見を開き、今季限りでの引退を改めて発表した。
埼玉平成高から上武大、社会人・住友金属鹿島を経て、2009年のドラフト2位で横浜に入団。変則的なサイドスローで1年目から即戦力としてローテーションに入ると、規定投球回をクリアする145回に投げて防御率3.66と奮闘。ところが、勝敗の方は3勝12敗と、奮闘ぶりと並んで援護運のなさでも注目を集めた。
2012年にはリリーフとして61試合に登板。26ホールドを挙げて防御率2.86をマークするなど、そこからはブルペンを支える存在に。求められたところで結果を残し、チームを支えてきた。
また、加賀といえば、ヤクルトの主砲ウラディミール・バレンティンにめっぽう強かったことでも知られる投手。2017年5月に初安打を許すまで、実に23打席無安打と完璧に封じ込んでいた。
本人もその意識は強く、会見で現役時代の思い出について聞かれた加賀は、「プロ初勝利」に続いて「バレンティン」の名前を挙げている。以下、引退会見の一問一答。
少しホッとしたような気持ち
―― 今の気持ち
少しホッとしたような気持ちです。
恩師やお世話になった方々に連絡して、
いろいろな話をしていったなかで、
また自分の力と周りを見たときに
このタイミングが引き際なのかなと思った。
―― 特に相談した人
(母校である)上武大の谷口(英規)監督。
「自分の中では少しやりたい気持ちもあるんですが…」と言ったところ、
『9年間プロ野球選手ができて幸せだったか?』と聞かれ、
まさか自分がプロになれるとは思っていなかったので、
「この9年間に悔いはありません」と返したところ、
『だったらそれが引き際じゃないか』
と言っていただけて。背中を押されました。
思い出のひとつに「バレンティン」
―― 現役時代の思い出のシーン
自分の中で一番というのは難しいですが、
やっぱり1年目の初勝利であったり、
ヤクルトのバレンティンと長い間対戦できたこと。
良い思い出でもあり、苦しい思い出でもあります。
―― バレンティンとの対戦について
やっぱりパワーがあって、大きいのが打てる選手なので、
そういった打者をどうやって抑えていくのか。
プロではこれを常に考えてやってきた。
初安打を打たれ、初本塁打を打たれ、
やっぱり今まで抑えていた分、悔しさも大きかった。
抑えられなくなったことで引き際を教えられたのかなと
今になると少し思うところも。
―― 今後について
ここまで野球で生きてきたので、
この経験を教える立場であったり、
一緒にやる立場として携われたらなと思っています。
―― チームへメッセージ
クライマックスシリーズ争いで体も心もきつい時期だと思う。
ただ、みんなが味わえる経験ではないので、
なんとかCSに出て、勝って、日本シリーズ優勝をしてもらいたい。
とにかく頑張ってほしいです。