◆ 1カ月で急接近の鷹
2018年シーズンは残り1カ月を切り、パ・リーグの優勝争いも佳境に突入。首位・西武は14日の楽天戦(メットライフ)で快勝を収め、試合のなかった2位・ソフトバンクとの差を「3.5」に拡げた。
今季の西武は開幕から首位を快走。27年ぶりの開幕8連勝という歴史的なスタートダッシュを決めると、ここまで一度も首位の座を明け渡すことなく走り続けてきた。その途中、6月には日本ハムに「0」差、7月にも「0.5」差に迫られるなど、首位陥落の危機もあったが、いずれも乗り越えてここまできた。
しかし、8月に入り驚異的な追い上げを見せているのがソフトバンク。8月17日からのオリックスとのカードで3連勝を収めると、日本ハム、そして西武といった上位も勢いそのままになぎ倒し9連勝。この間に2位に浮上し、その後も2度の4連勝を記録するなど、8月11日に最大「11.5」あった西武との差をわずか1カ月程で「3.5」差にまで縮めてきた。
◆ 8年前の悪夢
西武ファンにとっては思い出したくもない話かもしれないが、ソフトバンクとの優勝争いを振り返ると8年前の苦い記憶が蘇る。
2010年シーズン、西武は残り7戦で優勝マジック4を点灯。その時、2位・ソフトバンクと3.5差をつけていた。優勝へのカウントダウンとばかりにソフトバンクの敵地に乗り込んだが、まさかの3タテを喰らう。0.5差に迫られた西武は失速。勝数ではリーグトップながら勝率2厘差でソフトバンクに逆転優勝を許した。
勢いを失ったチームは短期決戦でも復活ならず。2位でクライマックスステージに進んだものの、本拠地でロッテに2戦連続で逆転負け。「優勝」に手を掛けながら“1勝”を掴めず、シーズン終盤に勝負弱さを露呈してしまった。
◆ あのときと同じ3.5差で天王山
そして、10年ぶりのリーグ制覇を目指す西武は、きのう14日の楽天戦から9連戦に突入。今日15日からは本拠地にソフトバンクを迎えての3連戦、さらに3位・日本ハムとの2連戦も控えている。残り試合数は異なるが、8年前と同じ「3.5」差で9月の首位攻防戦を迎える。
まだ「3.5」差あるが、「3.5」差しかない。
西武が悲願の優勝へ加速するのか。勢いに乗るソフトバンクがまたしても待ったをかけるのか。天王山の戦いに注目だ。