◆ チームを支えた男たち

 いよいよクライマックスシリーズが13日(土)から開幕。ポストシーズンの戦いへと移っていく2018年のプロ野球。パ・リーグはすでに全順位が確定しており、今年は西武が10年ぶりにペナントレースを制覇。日本一連覇を目指すソフトバンクと、日本ハムがCSへの出場権を手にした。

 少し気は早いが、優勝チームも決まって気になるのが「最優秀選手」、いわゆる“リーグMVP”の行方だ。例年リーグ優勝チームから選ばれる傾向があるものの、優勝チームから選ばなければいけないという規則があるわけではない。

 そこで今回は、今季ここまでの戦いを振り返り、最もチームに貢献した“各球団のMVP”に注目。まだ試合を残しているチームもあるものの、各チームのMVPを独断で選んでみた。

◆ 西武

◎ 山川穂高
[今季成績] 143試 率.281(541-152) 本47 点124

○ 浅村栄斗
[今季成績] 143試 率.310(565-175) 本32 点127

○ 秋山翔吾
[今季成績] 143試 率.323(603-195) 本24 点82

 10年ぶりの日本一を見据える西武からは、本塁打王を確定させている山川穂高を文句なしのチームMVPに選出したい。今季は全143試合に出場し、パ・リーグでは唯一の40発超え。124打点もチームメイトの浅村に次ぐリーグ2位と、シーズンを通して強力西武打線の中軸を担った。

 その山川を抑えて打点王に輝いた浅村や、パ・リーグ最多の195安打を放った秋山翔吾も例年以上に貢献度は高かったが、山川には及ばず。ここでは次点としたものの、実際のリーグMVP投票ではどんな評価が下されるのか、注目ポイントとなる。

◆ ソフトバンク

◎ 柳田悠岐
[今季成績] 130試 率.352(475-167) 本36 点102

○ 森 唯斗
[今季成績] 66試(61.1回) 2勝4敗6ホールド・37セーブ 防2.79

 開幕前は優勝の最右翼と見られていたソフトバンク。ところが、フタを開けてみると故障者が続出し、一時はAクラス入りが危ぶまれる時期もあった。それでも、後半戦は一気に巻き返して西武に肉薄したのはさすが。独走を許さず、最終盤まで胴上げをさせなかった。

 そんなソフトバンクを牽引したのは、今季も柳田悠岐だった。一時は三冠王も視界に捉えるほどだったが、ケガもあって思うように数字が伸ばせず。それでも首位打者のタイトルをほぼ確実としており、本塁打と打点もシーズン自己ベストを更新。悲願の100打点超えも達成した。

 また、投手陣では森唯斗の奮闘も見逃せない。絶対的守護神であるデニス・サファテが戦列を離れるという苦しい状況のなか、代役としてストッパーに回ると37セーブをマーク。最多セーブのタイトルを確定させている。この男の快投なくして後半の猛追はなかっただろう。

◆ 日本ハム

◎ 中田 翔
[今季成績] 138試 率.265(533-141) 本25 点104

○ 上沢直之
[今季成績] 25試(165.1回) 11勝6敗 防3.16

○ 西川遥輝
[今季成績] 138試 率.280(522-146) 本10 点48

 “大谷ロス”も何のその。開幕前の日本ハムといえば軒並み苦戦が予想されていたが、前年の5位から3位に順位を上げるなど、その底力を見せつけた。

 今季は上沢直之が自身初の2ケタ勝利を挙げるなど、次代のエースとして成長した姿を見せつけたが、貢献度という点では中田翔がリードか。得点圏打率は昨季の.195から9日時点で.295まで上昇。ここ一番での勝負強さを取り戻し、2年ぶりに100打点の大台にのせた。

 中田以外では、自身3度目の盗塁王へ向けてひた走る西川遥輝も。今季はここまで42盗塁に対し、盗塁死はたったの3回だけ。パ・リーグ最多の94四球も光り、その中で自身初の2ケタ本塁打も達成するなど、こちらも成長の跡を見せている。

(※成績は10月9日時点)

◆ オリックス

◎ 吉田正尚
[今季成績] 143試 率.321(514-165) 本26 点86

 強力打線の中心、逆襲のカギとして期待されたステフェン・ロメロとクリス・マレーロがそろって期待外れに終わったオリックス。加えて昨季31本塁打のT-岡田も不振に苦しんだなか、希望の光となったのがプロ3年目の吉田正尚だ。

 過去2年は能力の片鱗こそ見せながら故障に悩まされる日々が多くなったものの、今季はチームで唯一全試合に出場して打率.321、自己最多を大きく上回る26本塁打を記録。それでいて三振は74と少なく、球界を代表するスラッガー候補の一人にまで駆け上がった。

◆ ロッテ

◎ 中村奨吾
[今季成績] 140試 率.291(539-157) 本8 点57

○ 井上晴哉
[今季成績] 130試 率.290(465-135) 本22 点95

 決め手に悩むところがあったが、ここは中村奨吾を上位に取る。かつてのドラ1が4年目にして初の規定打席クリア。打率も3割に迫る数字を残している。また、ここまで39盗塁はトップを走る西川遥輝(日本ハム/42盗塁)と3つ差の2位。盗塁死の多さ(15個)がネックとなっているが、残り試合は日本ハムが2試合に対してロッテは3試合。厳しいラインではあるが、逆転タイトルの可能性もまだある。

 もうひとり挙げるとすれば、4番に定着した井上晴哉も忘れてはならない。昨季まで通算4本塁打と一軍の壁に苦しんできた巨漢スラッガーがついに開花。ここまで22本塁打をマークし、球団生え抜きの右打者としては2009年のサブロー以来となるシーズン20本塁打を達成。打点も大台に迫る95と大きな飛躍を遂げた。

(※成績は10月9日時点)

◆ 楽天

◎ 岸 孝之
[今季成績] 23試(159.0回) 11勝4敗 防2.72

 開幕前はAクラス争いが期待されるも、開幕から負けが込んだ楽天。梨田昌孝監督がシーズン中に休養となるなど苦しいシーズンになったが、その中で孤軍奮闘したのが岸孝之だった。

 シーズン終盤までローテーションを守り抜き、リーグで唯一の2点台という防御率2.72をマーク。自身初となる最優秀防御率のタイトルをほぼ確実なものとしている。

(※成績は10月9日時点)

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】 1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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