経験の場として
今年11月に開催される『2018 日米野球』に向けた記者会見が東京都内で行われ、同大会に向けた侍ジャパンの出場予定選手28名が発表された。
今回の日米野球について、侍ジャパン強化委員会の山中正竹強化委員長は「2020東京五輪を見据え、このタイミングで新たな選手も招集し、新たな力を試してみようと思います」との狙いを明かし、「世界最強軍団であるMLBオールスターに対してどこまで通用するのか、国際試合ならではの初対戦への適応などを、今回の経験を通じて大きく成長すること」に期待を寄せた。
一方の稲葉篤紀監督は「相手は世界最強チームということで、日の丸を背負って戦う以上、その誇りを胸に勝ちにこだわっていきたい。今回のメンバーにも勝ちにこだわる姿勢に応えてほしい」と語り、親善試合とはいえ“勝利”の二文字にこだわることを強調。「しっかりと采配も勉強していきながら、とにかく勝てる采配をしっかりしていこうと、オリンピックで勝てる采配をしていこうと思っております」と続けた。
選手個々への評価は?
また、稲葉監督は選手個々に関する質問についても応じ、巨人の新4番として史上最年少での「3割・30本・100打点」を達成した岡本和真に関しては「今年一年、本当に成長した選手」と評し、「ジャイアンツの4番を任され、結果を残し、精神的な強さもあると思う。ジャパンに入るのは初めてだと思うけれど、その力を思い切って発揮してもらいたい」とエールを送った。
さらに、捕手として今季の西武優勝の原動力となった森友哉については「キャッチャーは守りが一番大事だと思っているが、国際大会は点を獲らないと勝てない。当然キャッチャーも打てた方がいい」との見解を示し、「キャッチャーとして今年一年見ていたがブロッキングも安定していたし、リード面でもピッチャーを上手く引っ張っていた」と“捕手”森を評価。「これからという意味でも非常に楽しみな選手」と“打てる捕手”の出現を喜んでいた。
球界屈指の投手でありながら「アメリカのボールが少し合わないというところもあった」ため、侍ジャパンとは縁がなかった楽天の岸孝之の選出については、「オリンピックも含めて日本のボールに近いボールになる」こともあり、招集したことを説明。稲葉監督の現役時代に何度となく対戦し、「球に力があり、タイミングも取りづらかった」と実感している岸のボールが、「メジャー相手にどれだけ通用するのか見てみたい」と期待を寄せた。
若手への要望
その他にも、若手を中心にサウスポーを6人選出した理由について言及。「昨年11月にAPBC(アジアプロ野球チャンピオシップ)があって、韓国・台湾というチームには良い左バッターが多いなという印象を持った。そこでやはり左ピッチャーというのが必要になってくると感じた」と説明。「若い選手がどんどん出てくるので、どんどん試していって国際大会でどういうプレーをしてくれるのかを楽しみをしたい」と新戦力の台頭を心待ちにしていた。
そして、初出場を含めた若手の選手たちには、もっと「ジャパン」というものを意識してもらいたいと要望。「これから野球界を引っ張っていくんだぞ」といったような責任感に加え、「子どもたちのあこがれ、目標のプレーヤーになってもらいたい」との考えを示した。