ワールドシリーズはレッドソックスの本拠地フェンウェイパークで開幕

◆ ワールドシリーズが開幕!

 現地時間23日(日本時間24日)に2018年のワールドシリーズが開幕する。

 レギュラーシーズンで108勝を挙げたボストン・レッドソックスの勢いはポストシーズンでも衰えず、ヤンキース、アストロズという難敵を合計7勝2敗で破り勝ち上がった。一方のロサンゼルス・ドジャースは、第7戦までもつれたブリュワーズとのリーグ優勝決定シリーズを制し、ナ・リーグ2連覇を達成。30年ぶりの世界一を狙う。

 前評判では“ア・リーグ王者”レッドソックスの優勢が伝えられているが、果たして?! 今回は「5つ」の注目すべきスタッツを紹介しながらワールドシリーズを展望していきたいと思う。

◆ 「5勝0敗 vs 4勝1敗」

 このポストシーズン、レッドソックスは本拠地で2勝2敗の五分だが、敵地では5勝0敗と負けなし。得点「40」に対し、失点は僅かに「13」と投打に相手を圧倒している。

 一方のドジャースは、本拠地で4勝1敗(敵地では3勝3敗)。得点は「16」と多くないが、失点は驚異の「7」と、ドジャースタジアムで投手陣は無類の強さを見せている。そのドジャースタジアムでは、第3戦から3試合が行われ、この3試合を勝ち越したチームが世界一に近づくことになるだろう。

◆ 「.370 vs .190」

 ポストシーズン9試合で56得点のレッドソックスと11試合で43得点のドジャース。大きな違いは両チームの得点圏打率にある。

 レッドソックスは「.370」と得点機で確実にタイムリーが出ているが、ドジャースは「.190」とチャンスであと1本がなかなか出なかった。ドジャースが4勝を挙げるには、確実にチャンスをものにしていく必要があるだろう。

◆ 「7.11 vs 0.00」

 レッドソックスはポストシーズンで勝利した7試合のうち5試合が3点差以内の接戦だった。対するドジャースも7試合中4試合が3点差以内。ワールドシリーズも試合終盤までもつれる展開が予想される。そこで重要になってくるのが、両チームの守護神の出来だろう。

 レッドソックスのクレイグ・キンブレルはポストシーズンで5試合、6回1/3を投げ、5失点(防御率7.11)と打ち込まれている。セーブ失敗こそなかったが、ワールドシリーズ序盤の出来が悪ければ、クローザーの座を失う可能性もありそうだ。

 レッドソックスとしては、3点差以上のセーフティーリードで9回を迎えたいところ。一方、ドジャースの守護神ケンリー・ジャンセンはポストシーズン6試合、6回2/3を投げ無失点。3度のセーブ機会もすべて成功しており、状態は万全だ。

◆ 「13盗塁」

 ドジャースは今季のレギュラーシーズン163試合で75盗塁を記録した。これはメジャー30チーム中17位と抜きんでた数字ではなかった。しかしポストシーズンは11試合で「13盗塁」と機動力を発揮している。チームトップはコディ・ベリンジャーで4盗塁。打率.139と、「打撃」ではチームの足を引っ張ったが、「走力」でチームに貢献している。

◆ 「11打数5安打、2本塁打」

 レッドソックスは、指名打者制が使えないドジャースタジアムでJ.D.マルティネスをどのように起用するかがこのシリーズ注目の一つ。そのマルティネスに通算11打数5安打、2本塁打と打ち込まれているのがドジャースのエース、クレイトン・カーショーだ。

 レギュラーシーズンではマルティネスがアストロズ在籍時の2011年と12年に対戦し、8打数3安打、1本塁打。ポストシーズンでは昨季、マルティネスがダイヤモンドバックス時代に対戦し、3打数2安打、1本塁打と打ち込んでいる。ワールドシリーズでもこの「エース対主砲」のマッチアップがカギを握ることになるだろう。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

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